まずは24卒の学生たちを対象に「行きたくない」会社について尋ねた結果（あてはまる項目を2つ選択）を見ていきます。

最も多かったのは「ノルマのきつそうな会社」。

次いで「転勤の多い会社」(29.6％)が2位に。コロナ禍前の2020年卒の調査時（23.6％）と比べて6ポイント増加しています。

コロナ禍でリモートワークが定着し、場所を問わないワークスタイルが普及してきたことで、自分の意思で働く場所を決められない状況を敬遠する人が増えてきたことなどが、背景にあると見られます。

では、企業を選ぶ際に重視しているのはどのような点でしょうか。上位３項目の回答がこちら。

「安定している会社」が「自分のやりたい仕事（職種）ができる会社」を大きく上回り、5年連続のトップとなりました。転職が当たり前の時代になったとはいえ、経済情勢の先行きが不透明な中、ファーストキャリアを慎重に選ぶ学生が多いことが伺えます。

最後に、どのような就職観を持って就活をしているのかについても見ていきます。上位3項目の回答は以下のとおりです。

「楽しく働きたい」が最も多く、次いで「個人の生活と仕事を両立させたい」「人のためになる仕事をしたい」と続きました。

毎年上位３つの項目は変わらないそうですが、１位の「楽しく働きたい」は新型コロナの流行で厳しい規制の中で就活をしていた22年卒（34.8%）と比べると、4.1ポイント増加しています。

コロナ禍では一時、採用人数を抑制したり採用活動そのものを見合わせたりする企業もありましたが、今年度は人材確保の観点から積極的な採用活動を行っている企業が増えています。こうした売り手市場と言える状況が「どうせなら楽しく働きたい！」という心理に影響しているのかもしれません。

このような調査結果についてマイナビの担当者は「仕事と私生活の双方を安定させたいという思考がうかがえる」と分析しています。

「自分の中で大切にしたいことは何か？」「実現したい将来の自分の姿は？」をしっかり考え、企業を選ぶ際の優先順位をはっきりさせていきましょう。

※対象：2024年卒の大学生・大学院生　期間：2022年12月1日～2023年3月26日　有効回答：41197人