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文章術のプロに聞くES対策(3) ESを書く「コツ」って?“3つの要素”でもっと伝わる文章を

2023年03月13日

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ES(エントリーシート)に書くエピソードが決まったら、いよいよ書き始め。でもいざ書こうとするとなかなか思うように筆が進まない、なんてことありますよね。

そんなときは“3つの要素”を手掛かりに考えると書くための材料を見つけやすいんだそうです。どういうことなのか、詳しく教えてもらいました。

(聞き手:本間遥 堀祐理)

書く材料を引き出す“3つの要素”

学生

ES(エントリーシート)の文章をうまく書くコツってあるんですか?

ESを書くためのエピソードが決まったら、実際に書き込んでいくための「材料」を集めていきましょう。

今道琢也さん

必要となる要素は「主張」「理由」「具体例」の3つです。

ウェブ小論文塾 今道琢也 講師

インターネット上で開講する「ウェブ小論文塾」代表。小論文のほか、ES(エントリーシート)や履歴書、昇進試験など、さまざまな文章の書き方を指導している。元NHKアナウンサー。

「主張」と「理由」と「具体例」…。

ESを書くときには、まず「私はこうしました」「こう思います」という「主張」があります。

それに対して、なぜその行動をとったのか、というのが「理由」ですね。

そして、どんなことをしたのかなどの「具体例」を挙げていって、文章をまとめていきます。

「納得」と「理解」をしてもらう

学生
本間

どうしてこの3つの要素が大事なんですか?

ESって、企業に「自分はこういう人間だ」と伝えるものです。

つまり「この人はこういう人なのか」「それでこういう行動を取ったのか」と「納得」や「理解」をしてもらうことが大切ですよね。

そうですね。

そのためには、自分の主張を書くだけじゃだめで、そのように考えた理由や裏付けとなる具体的なエピソードが必要です。

それがあって、初めて納得・理解が得られるんですね。

実際に、前回の記事で紹介した文章に当てはめてみましょう。

「大学時代に主体的に物事に取り組んだ事例を述べなさい」

私は大学時代所属していたディベートのゼミで、自ら立候補して「副ゼミ長」を務めました。【=主張】

副ゼミ長は面倒な仕事だと思われて誰も立候補しませんでしたが、私はゼミの運営に貢献したいと考え、手を挙げました。【=理由

主な仕事は、ゼミ長と一緒に毎回の議論のテーマを決めたり、チーム分けを考えたりすることです。私は議論が活発になるように、メンバーの関心がある分野やディベートの力量を考えながら、テーマとチームを決めました。【=自分がやったことの具体例】

その結果、一人ひとりの発言が増えるようになり、以前よりも議論が盛り上がるようになりました。教授からも「いつもゼミのために頑張ってくれてありがとう」と感謝の言葉をかけていただきました。「副ゼミ長」の仕事を通して、自分から主体的に行動する姿勢が身に付きました。【=得られた結果の具体例】

初めに“副ゼミ長に立候補した”という「主張(=言いたいこと)」がありますよね。

そこから先は、「理由」と「具体例」の2つで掘り下げただけなんですよ。

「何でやろうと思ったの?」とか「それをやってよかったことは?」とか「教授はなんて言ったの?」とか。

確かにその3つが入っていますね。

書く順番は?

「主張」と「理由」と「具体例」はどういう順番で書いていけばいいんですか?

まずは質問に対する答え(=主張)を最初に書きましょう。

聞かれたことに対しては、正面から答えることを心がけます。

そこから理由とか、具体例を持ってきてあげたらいいと思います。

“結論ファースト”ということですか?

100%そうだとは言い切れないんですが、ESのような短い文章の場合はそうしたほうがいいですね。

読み手にとっても、何が答えなのか最初に頭に入った方が理解しやすいと思います。

700文字ぐらいの長めの記述を求められる場合には、どうしたらいいですか?

そういう時は、話の重み付けが必要ですね。

重み付けですか?

質問をよく読んで、問われていることをよく考えるんです。

例えば「あなたが関心をもったニュースと、それについて考えたことを述べなさい」という質問があったとします。

この場合は「関心をもったニュース」と「それについて考えたこと」の2つを書きますよね。

ただ「あなたが関心をもったニュース」は話のきっかけに過ぎないので、「それについて考えたこと」の方を多めに書き込むようにします。

このように、出題の意味を考えて、重みをつけていきましょう。

その上で話を掘り下げていけばいいんですね。

そのとおりです。

それぞれの項目について、「主張」「理由」「具体例」で話を掘り下げていけば、納得・理解を得られる文章が書けると思いますよ。

次回は、ESを書く際に失敗しがちなポイントを確認しながら「もっと伝わる文章」の作り方を教えてもらいます。

撮影:西條千春 編集:松原圭佑

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