美しく並べられたネクタイやブリーフケース、それに女性用のハンドバッグ。

図書館が就職活動をしている学生や社会人などに貸し出しているものです。

といっても、これは日本ではなくアメリカの話です。ニューヨーク公共図書館が去年8月から始めました。

貸出期間は3週間。1度にかばん1つとネクタイ2本まで借りることができます。

なぜ図書館がこうした取り組みを行うのでしょうか?

ニューヨーク公共図書館は100年以上の歴史があります。蔵書は電子書籍やDVDなども含めると550万を超えるアメリカを代表する図書館の1つ。「利用者に無料で本や情報、アイデアや教育を提供すること」を理念に掲げていることが背景にあるようです。

ただ、それだけではありません。サービスを考案したミシェル・リーさんに話を聞くと、きっかけは就職活動を支援するワークショップを開いたことだったそうです。

「多くの就職活動中の学生や高校生が、社会人なら身につけている常識を知らないことに気がついたのです。きちんとした身なりで行くことは仕事を見つける上での最初のステップでもあります」

就職活動支援はこれだけではありません。図書館では、利用者のリクエストに応じて履歴書の書き方から面接での振る舞い方なども指導するそうです。

このサービスがメディアで報じられると、ネクタイやハンドバッグの寄付が次々と集まり、中には段ボール2箱分のネクタイを送ってきた人もいたとか。

公共施設の就職活動支援、日本でも広がるのでしょうか。