教えて先輩!「リーマントラベラー」東松寛文さん【後編】

迷ったら攻めろ!失敗は許される

2019年12月27日
(聞き手:鈴木マクシミリアン貴大 伊藤七海 土井湧水)

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旅がきっかけになって生き方が180度変わった「リーマントラベラー」東松寛文さん。旅の魅力や学生への教訓、それにおすすめの旅先まで学生リポーターが聞きました。

学生
伊藤

東松さんは仕事との両立の中で年に何度も海外へ行っていますが、旅先ってどうやって選んでるんですか?

学生と社会人が圧倒的に違うのは、休める日付が決まってる、限られているってことなんですよ。

東松さん

東松さんの年間スケジュール帳。最初に土曜日は青、日曜日は赤で印を付けて週末の休みを意識する。大型連休は(ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始)1年ぐらい前から行き先を考える。

なので日付を先に決めて、その日付の中でやってる一番面白そうなイベントを世界中から探してます。

どうやって探すんですか?

まずは大きな情報を拾うんですよ。

「World December Festival」みたいに検索して大きな情報を拾ってくる。

で、そこにサブ情報がついてきて、実はこっちもおすすめ!みたいにね。

そこから深掘りしていきます。行ける日が少ないからこそ満足度でカバーしたいんですよ。

学生
鈴木

時事ネタとかホットな話題に合わせて行くこともありますか?

それももちろんありますよ。先日も中国の新彊ウイグル自治区に行ったんですけど、「今しか見られない」というのが動機でした。

新疆ウイグル自治区では、日本では体験できないようなできごとがたくさんあったそうです。

そもそも、旅行の1番の目的は僕が知らない生き方に触れたいからなんで。

スリランカの寺院でお祈り

学生に行ってもらいたい国は?

学生
土井

学生に行ってほしい国、行ったら感化されそうな場所を教えて下さい。

やっぱり自分の中で1番衝撃的だったのが、キューバなんですよ。

行ったのは2015年でした。社会主義で平均年収が2万円から3万円なので貧しい国だと思ってたんですね。でもそれなりにみんなハッピーな暮らしをしてるんです。

1950年代にアメリカから輸入した車が今も走るキューバ・ハバナの街並み

2万円から3万円でハッピーなんですね。

正直、貧しい国だからちょっと不安だなとか、治安は大丈夫かなと思って行ったんです。

だけど現地の人は、めちゃくちゃ優しくて例えば街を歩いていて、おばちゃんが荷物を持ってくれて家についてっちゃって、ご飯ごちそうしてくれたりとか。

えー!

爆音が鳴ってる家があって、日本ではしないけど、キューバだったんでちょっと覗いてみたら中にいるお姉さんと目が合っちゃって。

「カモン!!」って言われて、そのままダンスパーティーが始まって、2時間踊り続けるみたいなことが起こったりとか。

僕にとって1番衝撃的でしたね。自分の価値観がぶっ壊されたっていうのもありますけど、やっぱりそんな生き方の人たちが世界にはいるんだっていう。

キューバ・ハバナを散策していると、地元の人が声をかけてきてくれる

学生もキューバの雰囲気に触れた方がいいですか?

スーパー触れてほしいですね。機会があるんだったら、ぜひとも行ってほしい。

イスラム圏の「えっ」!

他の場所はありますか?

他は・・・。例えばイスラム圏。

なぜですか?

イスラム圏って、どこか怖いイメージないですか。イメージだけだと。

あるかもしれないです。

ところが現地に行くと全然違うんですよ。

例えばどこの国ですか?

かつて「世界の半分がある」と言われた、イラン・イスファハンのイマーム広場のモスクにて

イランはかなり面白かったです。

イランってアメリカに対して強硬姿勢を見せているので、ちょっと怖いイメージがあるんですけど、現地に行くとそんなことはなくて。

そうなんですか?

女性もヒジャブっていう布をかぶってるんだけど、結構ギリギリまで出してて、おしゃれの方も大事みたいな。

目から鱗なことが多くて、自分の知らない価値観に触れるって意味ではイランを含めたイスラム圏ですね。

価値観が違ったりすると「えっ」って思っちゃったりするんですけど、そういうのはないんですか?

「えっ」て思うことが大事。それに気づくことが大事です。

思う瞬間が新しい自分に出会ったり、自身の成長につながるんですか。

「えっ」て思うことの奥に本当の自分が眠っているんです。

アメリカは動機の宝庫

あとはアメリカですね。

アメリカですか?メジャーなところきましたね。

なぜかっていうと、アメリカは、どんな人でも行く理由が見つけやすいんですよ。

例えば僕だったら好きなバスケが見られるし、アメフトや野球も見られるし。ディズニーワールドもあるし劇が好きな人だったらブロードウェイもあるし。

アメリカ・マイアミのビーチでくつろぐ

行った先で学生はどんなものを見つければいいんですか?

何が大事かと言うと、自己分析、自分を知ることが大切です。材料は非日常に行けば見つかるんですよ。

旅はドラクエだと思っているんですよ。モンスターが出てくる、これが街にいるおばちゃんなんですね。そして話を聞くわけですよ。道を教えてくれと。

よくわかんない言語でやりとりするんだけど、場所を想像して行ってみたら、行けた!みたいなね。

「ドラクエ」

ドラゴンクエストの略。ドラゴンクエストは、主人公がさまざまな敵と戦いならが旅の中で成長する冒険型のロールプレイングゲーム。33年前に1作目が発売されて以来、子どもから大人まで幅広い世代の人気を集めた。

迷ったら○○

学生時代の自分に声をかけるとしたら何とかけますか?

「迷ったら攻めろ」。

あのころは自分の軸がなかったんで、周りの目を気にしたりして、自分が挑戦するってことから、たぶん上手く逃げていた。

でもやっぱりやりたいことが見つかれば、やるしかない。もちろん可能性が広がっていくし、迷ったんだったら、チャレンジして欲しい。

積極的にってことですね。

学生だったら失敗が許されるので、どんどんチャレンジしていくってことを、もっとやりたかったなと。

人の顔色

学生時代はなぜ周りに流されていたんですか?

14歳と28歳で生まれ変わってるんです。14歳でいじめられたんすよ。

些細ないじめだったかもしれないですけど、僕からするとその経験がすごく大きくて・・・。

そこからみんなの気を取るためというか、何したかって言うと、人の顔色伺ったんですよ。

就活中も?

はい。人の顔色伺っていれば友達も増えるし、デメリットないじゃないですか。

周りの目を気にする生き方ってどういう感じですか?

すごく狭い世界で生きてたなって思いますね。

海外に行ったらキューバでは年収2万円から3万円でも笑顔で生きてる人がいるんですよ!

28歳でリーマントラベラーとして週末海外旅行へ

そういうの見ちゃうとあれって思っちゃうわけですよ。28歳で久しぶりに自己表現を再開したんですね。

旅とは

東松さんにとって旅とは何ですか?

旅って現地で本物を見たり知らないことを知ったり、楽しいんですけど、何が1番楽しいかって言ったら、新しい自分が見つかることなんです。

あと、ニュースで見たことと、現地で実際に見るのでは、自分の感じ方が違うし、捉え方も変わってくる。

この前シリア難民の人と現地で会ったんですけど、ニュースで見るだけでなくて現地で会うっていうのでも、シリア難民に対する考え方も変わったし。

それと、自分の意見を持つようになるし、結果、自分がパワーアップできる。

自分探しに行ってるのかなってすごい思うのでとりあえず行き続けます。

年末年始はどこに行くんですか?

知らない世界に行きたいなと思って、北極圏を目指そうと思ってます。

北極圏ですか!?頑丈な装備が必要そうですね。

寒いところへ行って、そういうところの人の暮らしに触れてこようかなって思ってます。

きょう、話しを聞かせてもらって旅に行きたくなりました!ありがとうございました!

東松さん年末年始の旅の予定(12/21~1/6)

フィンランド → アイスランド → イギリス(北アイルランド) → アイルランド → フランス →ノルウェー(スバールバル諸島) → デンマーク → グリーンランド → スペイン

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