教えて先輩!岡崎体育さん【前編】

夢を実現した!?三種の神器とは

2019年07月26日
(聞き手:工藤菜摘 田嶋あいか 西澤沙奈 )

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夢と公言していた「さいたまスーパーアリーナでの単独ライブ」を実現したシンガーソングライターの岡崎体育さん。たったひとりでステージに立つ独特のスタイル。夢の実現に貢献した!?三種の神器とは…。デジタル時代の申し子ともいえる岡崎体育さん、その秘けつを知ろうと学生リポーターが取材しました。

京都在住の男性ソロプロジェクト。実家の学習机でつくった音楽は、等身大の世界を秀逸なセンスで表現する歌詞と音楽性にハマる人が続出。ライブではPCひとつで単独ステージに立ち、観客席を熱狂と爆笑に包む。「さいたまスーパーアリーナでワンマンライブ」という夢をこの6月に実現した。

夢を実現した心境は!

きょうは、よろしくお願いします。

30歳までに、さいたまスーパーアリーナでワンマンライブをやる!って夢を公言されていましたが、実際、達成してどんな気持ちでしたか?

実際に達成できた時、いちばん思ったのはドヤっていう(笑)。応援してくれる人もいっぱいいたけど、結構バカにされてもきたんですよ、今まで。音楽のジャンルが結構コミック寄りというか、主流の音楽ではないので。

でも、”絶対無理やろ岡崎体育がさいたまスーパーアリーナで”って言ってた人を見返せたかなって。

もちろん来てくれた人への感謝の気持ちはすごくありますね。ひとりでやってきた音楽活動で、夢をかなえられたのは自分自身、人生の自信にもつながりました。

いままで、ひとりで音楽活動をされてますが、なんで群れずにやってきたんですか?

いい質問ですね。群れずにって、最高の言葉ですね。トゲがあって。

もともと、学生時代にバンドを組んでて、僕も一応リーダーみたいのしてたんですけど、みんなの意見が食い違った時に、うまい事まとめられなかったっていうのがあって解散したんです。

バンドの長所って本当にケンカがあることなんですよ。言い合えること。同時に短所でもある。だから誰かに何か言えないけど、誰からも何も言われないので、ひとりでやってみようって思ったんですよね。

怖くなかったですか。ひとりで全部やって。型にはまらないスタイルじゃないですか。

本当にひとりきりでステージに立つことってすごく勇気のいる事なんです。でも、のびのびできたというか、責任を全部負うのも僕だし、逆に言えばそれで評価してもらえてるのも僕ひとりだし。

そういう意味では、やっぱり、ひとりでやってきてよかったなと思いましたよ。

まさにデジタル時代の申し子!?

NHKでも深夜番組のMCをお願いしています。

こちらのプロフィールを拝見したんですけど。

はいはい、なんやこれ?あー、テンゴちゃんが作ったやつ

テンゴちゃんの番組スタッフが岡崎体育を「マイナー職業」に見たてて作成したカード

岡崎さん監修じゃないんですね(笑)

これですか?これは番組が勝手に作ったやつです。

自分で作らないですよ、恥ずかしい(笑)

三種の神器っていうのがすごい気になってて。

勝手にテンゴちゃんが決めた神器ですけど。でも実際これをみて「これでいいですか」って聞かれて。僕もOKだしたんですけど。どういう質問でしたっけ?

パソコンとかSNS三種の神器が気になってって話でした。やっぱり自分から発信するというのが大事ですか?

そうですね、平成元年生まれぐらいの僕ら世代は、デジタルネイティブ世代のど真ん中ぐらいだと思うんですよ。だから、レコード会社に入る前までも結構自分で宣伝してました。

そうだったんですね。

いろんな事を試行錯誤しながら自分で考えてSNSで告知したら面白いんじゃないかなって。

実際に面白いと思ってもらえたこともあったし、自分の指先で、自分で発信するって、すごく大切な時代なんじゃないかなと感じましたね。

岡崎さんのツイッターを拝見させていただくと、自分から発信する投稿が多いなって。曲とかの宣伝もですけど、情報発信する上で考えてる事ってどんなことですか?

いちばん思うのは、岡崎体育というアカウントをツイッターで持っていて、それって岡崎体育の宣伝用のアカウントじゃなくて、岡崎体育って存在自体のアカウントなんですよ。

ライブ告知とか、いつテレビに出ますみたいな告知ばっかりだと、全然”いいね”がつかなかったんですよね。リツイートとかも。また宣伝かよ、こいつみたいな。

そう思っちゃうかもしれません。

アーティストとかタレントの人とか芸人さんが日々の生活の中で面白かった事とか感じた事を何となくボヤッとつぶやくところみたいな。

で、応援している人もそういうところが見たいんだと思うし。SNSの良さってそういうところだと思ってるんですよ。

昔だと音楽をつくるにしてもスタジオでつくるイメージですけど、パソコン1台でつくってるって、すごい今のデジタル世代ドンピシャだなって感じました。

作曲することって昔の人からしたら、いろんなバックバンドの人がいて譜面を書いて実際に演奏してもらってとか、大変なことだと思ってる人もいるかもしれないです。

けど、いまは、パソコン1台あれば自分で作曲できる時代になってきているんで。簡単に自分のワンルームで発信できる環境になってきてますよね。

いつも家で作曲されているんですか?

家で作曲してますね。もう30なんですけど、実家に今、住んでるんで、ずっと子供の頃から使っている学習机で曲を作って発信してますね、地方から。

家で作曲するのは、こだわりがあるんですか?

こだわり…そうですね、さいたまスーパーアリーナっていうでかいアリーナでライブをするのがずっと夢で。

地方で実家暮らしのやつが、たったひとりで、実家の自分の部屋で作った曲でワンマンライブをやって、お客さんをパンパンにできるかどうかっていう、僕の音楽人生の研究テーマみたいなものですかね。

地方より東京に出た方が絶対仕事もしやすいんですけど、地方発信でこうやっていく、そこにやっぱり僕は自分なりの美学とかをたぶん感じていたんでしょうね。

東京に出てくる予定とかはあるんですか?

東京はね、もう出てくる予定は…ガンガンありますね!

あるんですね(笑)

さいたまスーパーアリーナが終わって今ちょうど30歳なんで、ずっと実家にいるのも…。

今後、親も年老いていくでしょうから、実家を出て、どこかで暮らす経験もしなきゃいけないかなと思ったんで、もうゴリゴリ部屋探ししてますね。

どんな気持ちで就活を?

IT企業に就職されたとお聞きしたんですけど、就職活動されてたときのエピソードを聞かせてください。

就職活動はね、本当に正直言うとあんまり、やる気がなくて。みんな就活してるし、僕も、ちょっと親を安心させるためにどっかから内定もらっとかなあかんなっていうぐらいの意識で何となくやってましたね。

学生時代から音楽を仕事にしようと思わなかったんですか?

小学校の頃とかは本当に音楽が好きだったので、作曲家になりたいって卒業文集に書いてたんです。

作曲家が夢だったんですね。

そのあとコロコロ変わるんですけどね。中学の頃は映画監督になりたいって思ったし、高校の頃は音楽ライターかスポーツライターになりたいなと思ってたんで。

でも、大学入ったぐらいからやっぱり現実を受け止めにいったというか。小学校、中学校、高校の頃に思い描いてた世界は結構難しい世界だなって。

実際、ライターの仕事とかで応募したりしてたんですけども、それもずっと落ちてばっかりだったんで。一般企業に就職してサラリーマンでやっていくしかないかなと思ってたんです。

そうだったんですか。

でも結局、最終的に小学校の頃の夢に戻って、ミュージシャンとして活動しているんで、タイムスリップできたら、小学校の頃の自分に、自慢したいなと思いますね。

次の目標はね、まだちゃんとは決められてないっていうか、さいたまスーパーアリーナでライブ終わってからもう1か月以上たつんですけど、あまりにも人生の中でおっきい目標を達成したので、すごくふわふわしているというか。

でも、本当にここで終わってしまうと今まで応援してくれた方々に申し訳ないですし、次の新しい岡崎体育を見せられるように、ちょっとずつ始動していってる状態ですね。

公約通り夢を実現した岡崎体育さん。でも、落ち込んで、つらかった時期もありました。どう立ち直ったのか、そして、そのとき気づいた大切なこととは…。

後編はこちらからご覧ください。

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