教えて!先輩 サイバーエージェント 山田取締役

必要な情報は何か、自分の『意志』を持て!

2019年03月01日
(聞き手:西澤沙奈)

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社会で活躍する先輩たちに、ちょっと差がつく情報収集や活用方法を聞くこちらのコーナー。
今回は、大手IT企業「サイバーエージェント」の山田陸さん(29)。
「Amebaブログ」やインターネットのテレビ局、「AbemaTV」を運営するこの会社の「最年少取締役」に学生リポーターの西澤が直撃しました。

1日の打ち合わせは社内外で10以上と多忙の中、取材に応じてくれた山田さん。どんな人だろうと緊張していましたが、とても気さくに話をしてくださいました。

「100年に一度のチャンス インターネットのTV局をつくる!」

学生
西澤

学生リポーターの西澤です。よろしくお願いします!
サイバーエージェントの取締役…一体どんなお仕事をされているのですか?

僕は主に「AbemaTV」というメディアの収益の担当をしています。できあがったサービスをどうやって事業化するか、収益を生み出せるようにするのか、ということですね。

山田さん

(どうしよう、わからない…)もう少し具体的に教えて下さい。

例えば、TVだとCMを売ったり作ったり。後はCMに変わる広告商品を考えて作ったり、それを企業に提案したりとか。海外のテレビ局に売りに行くこともありますよ。

なるほど!仕事のやりがいはどんなところですか。

「インターネットのテレビ局をつくろう」というのが今のやりがいですね。
(WEB系のメディアの台頭など)100年に1度のメディアが変わるチャンスが今だと思っていて、その1つを私たちが担いたいと思っています。
これまでエンタメ寄りのサービスをつくっている会社だったのですが、世論を形成する可能性があるくらいのメディアをつくりたい、「世のため人のためになるサービス」にしていきたいと思っています。

「スケジュール管理に秘訣 “日曜日”を生かせているか?」

続いて山田さんの1日のスケジュールと情報収集を教えて頂きました。

 

7:00 起床
新聞、雑誌、ビジネス系のwebサイトのほかテレビでニュースをチェック
クライアントの情報にも気を配る

 

9:00~ 社内打ち合わせ(6件)
ネット企業などの最新情報を持ち寄る

 

14:00~ 社外打ち合わせ(2件)
移動時間にスマホでSNS、webサイトをチェックし“リアルタイム”の情報収集意識

 

17:00~ 資料作成

 

18:00~ 社内打ち合わせ(4件)

 

20:00~ 社外会食
同業、他業種ともに情報共有の場
会合での目的をあらかじめ設定し、自らも情報を提供できるよう準備

 

23:00 帰宅
スマホでSNS、webサイトをチェック

 

社員らとチャットのグループなどで「クライアント」の動向などを情報共有

Twitterで社名やサービス名などを検索し、評価を確認する“エゴサーチ”も日課

打ち合わせや会食が1日に13本…本当にご多忙の中をありがとうございます(泣)

とんでもない(笑)。本当毎日こんな感じです。

情報の整理や進捗の管理はどうしているのですか・・・?

ぼくの場合、次の1週間に「こういう動きをする」「ここは決める」という大事なポイントを日曜日に決めておくのがルーティーンですね。だから(月曜からの1週間)週末まで割と思い通り動けるというか想定できているので、そんなに四苦八苦はしてないかな。

「情報は生もの “エゴサ”で差がつく?」

ニュースなどの情報収集にどれくらい時間をかけているのですか?

日によりますが、1時間以上はかけていると思います。朝と日中の合間とあわせて。スマホが多いですね。

テレビは見ますか?

テレビも見るようにしています。NHKも見ますし、テレビ朝日も、AbemaTVも見ますし、朝はつけているかな。

それから、情報を得る方法に記載のある“エゴサーチ”って言うのは・・・

例えば企業名や商品名を入れて検索すると、いろんな情報が出てきますよね。
プレスリリースや新商品の情報とか、割と使えるんですよ。

ぼくはまだまだ若輩者なので、ビジネスでお会いする人は一回り二回り上の方が多いんですが情報の質や量では絶対勝てないです、経験値が違いますから。

ですから、とにかく生の情報、つまりスピード感やリアルタイムで起きていることを頭に入れて話のネタにするようにしています。

「あ、こいつはうちの会社のこと気にしてくれているな」と思ってくれたり。
知っているかどうかだけでビジネスでは雲泥の差がつきます。

「必要な情報は何か、自分の『意志』を持て!」

情報のインプットが多いと飽和してくると思うんですけど、取捨選択のポイントは。

うーん、難しいなぁ…。でも見出しで結構捨てていますね。
気にならない情報を読んでも血肉化しないと思っていて…。
学生の頃は背伸びして、経営者が好きそうな本を読んだんです。でも何もわからなかったんですよ(笑)。

で、今になって読むとすごく分かるんですよ。ニュースに関しても、“いま”自分が欲しいものとか気になる気にならないとかが、意外と大事なんじゃないかなと思いますね。

身の丈にあった情報。勉強になります!でも今の自分に大切な情報かどうかの判断のポイントって何ですか。

大前提として、自分の意志が必要だと思うんですよね。2年前くらいに悩んでいたことですけど、それまでやってきた営業の仕事ではなく、企業向けに広報の仕事をする機会があって。

そうすると
①「自社の商品を広報したい」という意志が生まれる。
②その時、初めて広報のことを勉強をしようと思う。
③必要な知識として、すごく身にしみて情報が入ってくる。

意志を持っていれば情報が飽和しても取捨選択出来るんですよ!

「やりたいことが見つからない君へ」

私たち学生も意志を持って情報を取り入れた方が良いですか?

ただ飽和している情報を飲み込んでいるだけではダメ。
意志を持って情報を取り入れるところまで絶対行ったほうが良いですね。

私はまだやりたいことが何なのか、明確なビジョンが見えてないんです…。

そういう学生は
①まずはいろんな情報を飲み込んでみる
②興味があることが出てきたら、それを意志に変えて行動に移せば良いと思います。

そうやって動ければ「人」として強いと思いますね。

あと、学生時代「これをやっておけば良かった」ということはありますか!

僕は学生時代にやり残したことが明確にいくつもあって、一番思うのは、いろんな企業の社員さんと会えば良かったなって。それこそOB訪問みたいな。大学生の特権ですよ!

スマホで簡単に情報を得られる時代ですが、やっぱり直接聞く情報は違うんですか。

やっぱり直接会って話すことは情報の質が違いますね。会わないと言えないことってたくさんあるじゃないですか。
リアルな情報を求めに自分から動く、それも意志だと思います。

「仕事を“生きがい”に変えられたらとんでもなく幸せ」

最後にどうしても聞きたかったこと。「山田さんにとって仕事って何」をボードに書いてもらいました。

すごくありきたりなこと書いちゃうんですけど、僕の場合は「生きがい」ですね。
うーん、もうちょっと気の利いたこと書ければよかった(笑)

「生きがい」ってどういう意味ですか。

学生の時に電車の中で朝疲れた顔をして通勤している方々を見ていて、仕事に対してやりがいを感じられなかったらすごく不幸だなって思っていました。

でも逆に仕事を生きがいに変えられたらとんでもなく幸せだなと。
そういった思いを持ちながら仕事をしてきた中で、今のところ自分にとって仕事は生きがいになっているので、すごく幸せです。そういった思いを込めて生きがいにさせていただきました!

お忙しい中、ありがとうございました。

山田さんのお話を聞いて、私も生きがいになるような仕事と巡り会いたいと強く感じました。

私のようにこれから就職活動を意識して動き出すことになる大学2年生や就職活動まっただ中の大学3年生は、「意志を持つ」という行為がいかに大切か、身にしみて分かるようになると思います。私も「働く=生きがい」と断言できるような、そんな立派な企業人になりたい!

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