ニュース特設

燃費データ不正の行方

三菱自動車は、ことし4月に燃費の不正問題が発覚したあとも、都合のよいデータだけを抜き出す不正な方法で車の燃費を測定し販売を続けていました。
会社側は、再発防止策として燃費の測定方法を役員もチェックすることなどを盛り込んだ報告書を国土交通省に提出しました。

三菱自会長にゴーン氏 臨時株主総会で新体制決定12月14日

三菱自動車工業は、日産自動車の傘下で経営の立て直しを進めていて14日、新たな経営体制を決める臨時の株主総会を開きました。

総会では、はじめに益子修社長が一連の燃費不正問題について、「多大なご迷惑をおかけし、申し訳ありません」と陳謝したうえで、「日産から必要なスキルや人材などの支援を受けながら、信頼回復を進めていく」と述べました。
これに対し、株主からは、「三菱グループ出身の役員が残ったままでは、経営の立て直しや信頼回復は難しいのではないか」など、厳しい意見が相次ぎました。

総会では新しい会長に就任する日産のカルロス・ゴーン社長ら11人の取締役を選任する議案などが承認され、新しい経営体制が決まりました。
日産のカルロス・ゴーン社長は総会で、「三菱自動車との提携が、うまくいくかと思っている人もいると思うが、私には成功に導く自信がある。きょうは再生に向けた新たな幕開けだ」と述べました。

三菱自の中間決算 2195億円の最終赤字10月28日

三菱自動車は10月28日、ことし4月から9月まで半年間のグループ全体の中間決算を発表しました。
それによりますと、4月に発覚した燃費不正の問題で、主力の軽自動車の販売を一時、停止したことやブランドイメージの悪化による販売不振などによって「売り上げ」は8648億円と去年の同じ時期より19%減少しました。

さらに、燃費不正の問題で顧客に支払う賠償金などの費用として1661億円の特別損失を計上したことや、円高による採算の悪化などから「最終損益」は2195億円の赤字となりました。中間決算の最終損益が赤字となるのは6年ぶりです

三菱自動車は、10月から日産自動車の傘下に入って経営の立て直しを進めることにしています。

三菱自 燃費不正の再発防止策を提出9月30日

9月30日、三菱自動車の益子修会長が国土交通省を訪れ、「多数の皆様にご迷惑とご心配をおかけしていることを深くおわびします」と陳謝したうえで、再発防止策をまとめた報告書を提出しました。

この中では再発防止策として、燃費の測定を開発現場だけに任せず、測定方法や結果を担当役員もチェックする仕組みを導入するほか、社内の意思疎通を円滑にするため、役職を減らすなど組織を抜本的に見直すとしています。

今回の問題では、不正が意図的に行われた疑いがあると国土交通省が指摘しています。これについて、三菱自動車の山下光彦副社長は記者団に対し「よいデータを出そうとする意図はなかったと思う。過去の誤ったやり方が直りきっていなかったのではないか」と述べたうえで、さらに事実関係を調査する考えを示しました。

燃費不正 対象車種の販売 一定期間不可の罰則開始9月16日

三菱自動車とスズキの燃費の不正問題を受け、国土交通省は専門家を交えた作業部会で検査制度の見直しを検討し最終のとりまとめを公表しました。

それによりますと、省令に基づく罰則の対象に燃費の不正も含めることとし、不正があった場合、同一の車種を大量生産するための「型式指定」を停止して、一定期間、対象の車種を一般向けに販売できないようにするほか、30万円以下の罰金を科すことになりました。これらの罰則は、16日から適用が開始されました。

また国土交通省は燃費不正の防止策として、法律で定められた検査機関が自動車メーカーの燃費の測定に抜き打ちで立ち会ってチェックする措置を導入し今後、効果を検証することになりました。

このほか国土交通省は、より厳格な国際基準に基づいて燃費データを測定する方法を当初の予定より1年半前倒しして来年3月から導入することを決めました。

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よい数字が出るまで測定を繰り返していたか9月16日

この問題で、三菱自動車は再測定の方法について当初、「不正な方法とは認識していなかった」と説明していましたが、国土交通省が調査した結果、実際には現場の担当者が正しい測定方法を知った後も、それを改めないまま測定を続けていたということです。

その理由について、現場の担当者は国土交通省の聞き取り調査に対し「開発した車が設計したとおりの燃費の値が出ないのはおかしいので、よい数字が出るまで測定した」という趣旨の発言をしていることが分かりました。

このため国土交通省は、カタログで公表していた燃費の値に近づけようと、意図的によい数字が出るまで測定を繰り返していた疑いがあると見ています。

さらに会社の経営陣は、測定の具体的な方法をチェックしておらず、こうした経営陣の意識が今回の事態を招いた要因の1つだとしています。

今回の問題について国土交通省は「常軌を逸する事態」だとしていて、三菱自動車に対して関係者の責任を明確にするとともに、不正が繰り返された経緯などについて改めて調査し9月中に報告するよう求めています。

三菱自 正しい説明にも測定方法改めず9月15日

三菱自動車は、ことし4月に燃費の不正問題が発覚したあとも、都合のよいデータだけを抜き出す不正な方法で車の燃費を測定し、販売を続けていました。
これについて会社側は「不正な方法だとは認識していなかった」と説明していました。

しかし、国土交通省の発表によりますと、三菱自動車の本社などを立ち入り検査した結果、実際には現場の担当者が国の機関から正しい測定方法について説明を受けていたにも関わらず、その後も方法を改めていなかったということです。

現場の担当者はみずからが行っていた測定方法を経営陣に説明していましたが、経営陣は、その方法が正しいかどうか確認をしていなかったということです。また一部の車種では過去のデータを流用し、測定自体を行っていなかったことも明らかになったということです。

国土交通省は、会社の法令順守の意識や経営陣のチェックが欠如しているとして、15日、三菱自動車の益子修会長を呼び、関係者の責任を明確にすることと、再発防止策を見直し9月中に報告することを指示しました。

一連の問題で、三菱自動車の経営トップが行政指導を受けるのは今回が2度目で、再発防止に取り組む姿勢が厳しく問われそうです。

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国土交通省 三菱自に改めて立ち入り検査9月2日

三菱自動車はことし4月、燃費を実際より良く見せるためデータを改ざんする不正を行っていたことが分かりましたが、発覚後の再試験でも燃費の良いデータだけを抜き出して測定する不正を繰り返していたことが明らかになりました。

これを受けて国土交通省は、2日午前9時ごろから東京・港区の三菱自動車の本社と愛知県岡崎市の技術センターの立ち入り検査を改めて行いました。
燃費の再試験でも不正が行われていたことについて三菱自動車は国土交通省に対し、「良いデータだけを抜き出す測定の方法について現場の担当者に不正なものだという認識がなかった」と説明しています。

立ち入り検査は2日夕方まで行われ、会社の経営幹部や燃費の試験を行っていた担当者から不正が繰り返された経緯について話を聞くなどしたということで、国土交通省はこの結果を踏まえて再発防止策を検討することにしています。

三菱自 8車種の燃費 最大10%引き下げ8月31日

三菱自動車は8車種の新車の販売を一時、停止していますが、正しく改めた燃費が31日、国土交通省に確認されました。
それによりますと、「ミラージュ」では1リットル当たり25.4キロとしていたものを23.8キロと6%余り引き下げるなど、 公表していた値に比べて1.6%から最大で10%燃費を引き下げています。

これにより一部の車種ではエコカー減税などの減税額が縮小されることになり、所有者に対して国や自治体から追加の税金の納付を求める書類が届く場合がありますが、会社側が負担するとしているため所有者が支払う必要は無いということです。

三菱自動車では正しく改めた燃費の値をもとにカタログの修正などを行った上で販売を再開したいとしています。

三菱自 8車種で販売を一時停止へ8月30日

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三菱自動車は、主力の軽自動車で燃費を実際よりよく見せるため燃費データを改ざんするなど、過去10年間に販売したあわせて29車種で不正を行っていたことが明らかになっています。

このうち現在も販売されている9車種について、国土交通省が、改めて燃費を測定した結果、8車種の燃費が会社が公表している値を最大で8.8%下回っていたことがわかりました。このため会社側は、31日から該当する車種の新車の販売を一時、停止すると発表しました。

販売を停止するのは、「RVR」「デリカD:5」「ミラージュ」「パジェロ」「アウトランダーPHEV」「i−MiEV」「ミニキャブ・ミーブバン」「ミニキャブ・ミーブトラック」の8車種です。

また会社側は、販売を停止する車種を持つ顧客に対して、「ミニキャブ・ミーブバン」を除いて1台当たり10万円から3万円の賠償金を支払うということです。
「ミニキャブ・ミーブバン」は会社が公表していた値とほぼ同じデータが確認されたため、賠償金の対象から除くとしています。

不正発覚後も不正な方法で燃費測定

国土交通省によりますと、三菱自動車は、燃費の不正問題が発覚した後も、都合の良いデータだけを選んで燃費を算出する不正な方法で車の燃費を測定し、問題が無いとして販売を続けていたということです。

これについて燃費を測定した担当者は「不正な測定方法だと認識していなかった」と説明していて、経営トップの益子修会長も30日の会見で「詳細については、現場に任せていた」と述べるなど、ずさんな法令順守の体制が浮き彫りになりました。

三菱自動車は、日産自動車の事実上の傘下に入って経営の立て直しを進めることにしていますが、信頼回復に向け再発防止に取り組む会社側の姿勢がより一層、厳しく問われることになりそうです。

国交省 燃費の虚偽申請に罰金へ8月6日

国土交通省は、自動車メーカーが国が行う型式指定の審査に虚偽の燃費データを申請した場合、30万円以下の罰金を科す方針を固めました。

さらに、虚偽申請が発覚した場合、国が一定の期間、型式指定の効力を停止することができるようになり、メーカーは事実上その車を生産できなくなります。これまでは燃費データの不正が発覚してもメーカーは行政指導を受けるにとどまり、罰則を科されることはありませんでした。

国土交通省は9月にも道路運送車両法に基づく省令を改正し、罰則の適用範囲を燃費データの不正まで広げ、対応することにしています。

三菱自 軽4車種の生産再開7月4日

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三菱自動車工業は燃費不正問題を受けて4月から軽自動車4車種の生産を停止していましたが、国土交通省への燃費の修正の届け出が終わったため、7月4日から岡山県倉敷市の工場で生産を再開しました。

工場では、軽自動車5台を試験的に生産していて報道陣に公開された生産ラインでは従業員たちが行程を一つ一つ確認しながら部品の取り付け作業を行いました。

会社によりますと、自宅待機となっていたおよそ1300人の従業員のうち4日は900人が出勤。ことし9月をめどに全員を復帰させたいとしています。7月中旬から本格的に生産台数を増やすものの、7月と8月は生産停止前の実績を大きく下回る月産5000台にとどまる見通しだということです。

三菱自 取引先の休業手当など負担7月1日

三菱自動車工業は1日、岡山市で取引先の部品メーカーなどを対象に説明会を開き、益子修会長は、燃費不正問題で操業停止に追い込まれた部品メーカーの従業員の休業手当などを全額、負担する方針を示しました。

益子会長によりますと、このなかでは、燃費不正問題を受けて停止したままとなっている倉敷市の工場での軽自動車の生産について、7月4日に試験的に再開し20日から本格的な生産に移ることや、事実上、傘下に入る日産自動車からの支援を受けて再生を目指すことなどを説明しました。

そのうえで、操業停止に追い込まれた部品メーカーなどがその間、従業員に対して支払った休業手当などは全額、負担する方針を示したということです。

今回の問題で岡山県内では、部品を加工するメーカーが自己破産を申し立てるなど地域経済にも影響が広がっています。

三菱自動車 燃費が最大約16%悪い車も6月21日

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三菱自動車では燃費を実際よりよく見せるため、過去10年間に販売した合わせて20車種で走行抵抗のデータに手を加えるなどの不正を行っていたことが明らかになっています。このうち最初に不正が発覚した軽自動車4車種について国土交通省は、正しい燃費を調べるため、5月から埼玉県熊谷市の施設で独自に走行試験を行ってきました。

石井国土交通大臣は21日の記者会見で試験の結果、カタログなどで公表されている数値に比べて実際は5%から最大で16%程度、平均でおよそ11%燃費が悪かったことを明らかにしました。三菱自動車はこれまでに5%から15%程度、燃費が悪くなった車種があったことを公表していて、ほぼ同じ結果となりました。

そのうえで石井大臣は三菱自動車に対して燃費の数値の修正を求める一方で、排ガスについて法定の基準を満たしていることが確認されたため、販売再開に必要な登録の取り消しは行わない考えを明らかにしました。

また、三菱自動車の益子会長は21日、軽自動車4車種の顧客に賠償金として一律で1台当たり10万円を支払うことを正式に決め、支払いを急ぐ考えを明らかにしました

三菱自動車 軽4車種に10万円賠償へ6月17日

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三菱自動車は17日の記者会見で、燃費を実際よりよく見せるためデータに不正に手を加えていた車の顧客に対する賠償金の方針を明らかにしました。

データに不正に手を加えていたことが最初に発覚した軽自動車4車種「eKワゴン」「eKスペース」「デイズ」「デイズルークス」(合計約62万5000台)の顧客に対し、一律で1台あたり10万円を賠償金として支払う方向で調整しているということです。この金額は、燃料代の差額やおわび代などを合わせたもので、正確な燃費が確定した段階で正式に決めるとしています。

一方、正確な燃費が確定してエコカー減税の区分が変わった場合、本来、購入者が負担しなければならなかった税金の不足分は会社側で支払うとしています。

データに不正に手を加えていた別の5車種「パジェロ」「旧型アウトランダー」「ギャランフォルティス、ギャランフォルティススポーツバック」「コルト、コルトプラス」「RVR」(合計約10万台)の顧客に対しては、一律で1台当たり3万円を賠償金として支払うとしています。

賠償金の費用として会社側では、すでにことし3月期の決算でおよそ150億円を引き当てていますが、さらに来年3月期決算でおよそ500億円を特別損失として計上する見込みだとしています。三菱自動車の益子会長は、「長年の不正を心よりおわび申し上げます。車の種類によって違いはあるが、10万円であればほぼすべての顧客の負担をカバーできると考えた」と述べました。

三菱自動車 14車種で新たな燃費不正6月17日

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三菱自動車は17日、最終的な調査結果を公表。過去10年間に販売した乗用車20車種のうち14車種で本来、測定すべきデータを机上の計算で割り出す不正を行っていたことを明らかにしました。

このうち、▽パジェロ▽コルト▽ギャランフォルティス▽旧型アウトランダー▽RVRの5車種で燃費を実際よりよく見せるなどの目的でデータに不正に手を加えていたということです。

▽さらに17車種で本来とは異なる方法で燃費データの測定を行っていたほか▽20車種すべてで走行試験の成績書に日付や天候など事実と異なる記載を行っていたということです。

また、データの測定を担当する性能実験部にとどまらず、車両の認証を申請する認証部という部署でも燃費のデータに手を加えるなど複数の部署で不正が行われていたことを明らかにしました。

三菱自動車はこれまでに現在、販売している軽自動車など9車種でも不正を行っていたことを明らかにしていて、過去10年間に販売した車と合わせると不正が行われた車は重複している車種を除いて20車種に上ることになります。

三菱自動車 不正の原因と再発防止策6月17日

不正が行われた原因

▽燃費データの測定が長期にわたって固定した部署で行われ外部のチェックができなかったこと、▽燃費目標の達成の責任者が試験の車両や日程を十分に確保できない現場の実態を見過ごしていたこと、▽机上での計算を習慣的に行い現場に法令順守の意識が不足していたこと、▽2009年からのエコカー減税への対応が社内決定され、燃費目標の達成が開発現場のプレッシャーとなり不正行為に追いやる原因になったとしています。

そのうえで相川哲郎社長は「経営と現場の情報共有ができなかったことに加えて、『ものが言えない組織風土』や人材の長期固定化などによって不正が起こった事実を重大かつ真摯に受け止めている」と述べ、不正について経営陣の直接の指示はなかったことを改めて強調しました。

再発防止策

▽燃費測定のデータ処理に自動化システムを導入し、業務について定期的に監査の部署がチェックするほか、▽本社の人材を加えた専門の組織を設置して再発防止策の着実な実行とフォローアップを行うとしています。また、▽不正を見逃す要因をなくすためこう着した人事を改めるとしているほか、▽開発部門の全社員を対象に今回の問題を具体例とした研修を実施するとしています。
さらに、▽経営陣が開発部門の実情を把握するため定期的に合同の会議を開いて開発に関わる課題や対応の確認をすることなどを挙げています。

国交省 抜き打ちでチェック実施へ6月10日

今回の問題を受けて検査制度の見直しの検討を進めていた国土交通省は、10日、再発防止策をまとめました。

それによりますと、自動車メーカーが燃費のデータを測定する際、国が定める検査機関が抜き打ちで立ち会って不正がないかチェックします。不正が見つかった場合は、メーカーの名前と不正の内容を公表。新型車の申請を却下して販売できなくします。

同時に全容が解明され再発防止策がまとまるまで、同じメーカーの車の検査を停止し、その後も検査機関の立ち会いの回数を増やすなど検査を厳格化するとしています。国土交通省は、これらの対策はメーカーの開発や生産、販売のスケジュールに大きな影響を与えることから不正の抑止効果が期待できるとしています。

三菱自動車とスズキについては今後3年間は検査の厳格化を行い、燃費データの測定に立ち会って不正がないかすべてのデータを確認することになりました。

スズキ 鈴木修会長がCEO退任へ6月8日

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スズキは、燃費のデータの不正な測定を行っていた問題の経営責任を明確にするため、鈴木修会長が6月29日の株主総会の終了後、会長職にはとどまったうえで、CEO=最高経営責任者の役職は退くと発表しました。また、技術統括を務める本田治副社長も株主総会終了後に退任するとしています。

さらにスズキは、役員報酬の減額もあわせて発表し、▽代表取締役と取締役は昨年度の賞与を辞退するとともに▽7月分以降の月額報酬も会長は6か月間40%減額するなどとしています。

これについて鈴木会長は会見で、「大変な法令違反で責任が重いことは事実だ。欠点を直していくことが必要で、CEOとして先頭に立つのは、新しい人にやって頂く。私は反省を込めて補佐していこうと考えた」と述べました。

スズキ 再発防止策を提出6月8日

スズキは、8日、国土交通省に技術者の研修の充実やチェック体制の強化などを盛り込んだ再発防止策を提出しました。

再発防止策では▽技術者に法令の知識を身につけさせる研修を充実させることや▽責任を明確にするため燃費の値を決定するための会議を車種ごとに開くこと、▽開発担当の部署に対するチェック体制を強化すること、それに▽部署間の人事交流を行い、閉鎖的な組織を解消することなどを挙げています。
さらに▽技術部門に対する業務監査体制の強化や▽社内で不正を通報する内部通報制度の利用促進を図ることも盛り込んでいます。

鈴木会長は「世間で独裁と言われながら先頭に立って何もかもやってきたが、売上規模や企業規模からしても私が1人で見るのが不可能になってきたことが結果的にこうした問題に現れたと思って反省している。今後は、分担してチームでやっていく。お客様の信頼を取り戻すためにチームスズキが一丸となって再発防止策に取り組みたい」と述べました。

スズキ 26車種で異なる形で燃費測定5月31日

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スズキは、5月18日、燃費のデータの測定を国が定める方法とは異なる形で行っていたことを明らかにして謝罪しました。そして31日、不正な測定を行っていたのは自社で販売している14車種に加え、マツダと日産、三菱の3社に向けて生産した車を合わせて26車種214万台に上ることを発表しました。

これらの車種は燃費のデータを測定する際、国が定める屋外での走行試験を実施せず、屋内で行った装置ごとの測定データを積み上げたものを検査機関に申請していたということです。

きっかけは欧州向けの「スイフト」

スズキは31日の会見で、今回の不正はヨーロッパ向けの「スイフト」という車種で装置ごとの積み上げによる方法が認められたことを受けて、国内でもこうした方法で測定しても問題ないと担当部署が判断したことがきっかけだったことを明らかにしました。不正な測定は6年前の平成22年から車両開発を担う「カーライン」と呼ばれる部署で始まり、担当する車種ごとに分かれた5つのグループすべてで行われていたということです。是正されなかった理由についてスズキは、社内にチェック体制がなかったことや法令違反の重大性について関係者の認識が不足していたことを挙げています。

燃費の修正は行わず販売継続

社内調査の結果、燃費を不正に操作しようとした意図はなく、特定の個人が不正を行うよう指示した事実はなかったと結論づけています。また、正しい測定方法で燃費を算出したところ、いずれの車種も公表している燃費を上回ったとして、燃費の修正は行わず、販売を継続する考えを示しました。

三菱自動車 地域経済への影響広がる5月27日

今回の問題の影響で、軽自動車の生産を停止している岡山県倉敷市の水島製作所では、4月から不正の対象となった軽自動車4車種の生産を停止し、工場の従業員の3分の1を超える1300人について自宅待機の措置をとっています。

会社は依然として生産再開のメドが立たないことから、生産の停止と自宅待機を6月いっぱい続けることを労働組合に申し入れ、組合もこれを受け入れることになりました。あわせて自宅待機中の従業員の待遇については、5月と同じく、自宅待機の最初の5日分は賃金の85%、それ以降は満額に相当する金額を支払うということです。

水島製作所では、軽自動車の生産が停止している影響で、取引関係がある地元の部品メーカーの中には操業の停止に追い込まれるところもあるなど、地域経済の影響が広がっています。

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三菱自動車水島製作所

業界再編に発展 三菱自が日産の“傘下”に5月12日

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三菱自動車の燃費の不正などの問題は業界再編に発展しました。
三菱自動車は5月12日、 日産から2373億円の出資を受けて事実上、傘下に入るとともに、会長なども受け入れる資本業務提携を結ぶことになったと発表しました。

日産と三菱自動車は提携によって、▽今回の燃費の不正問題などで著しく低下した三菱自動車のブランドと信用の回復を図ること▽日産に加え提携先のルノーとも商品力の強化などに向けた取り組みを一体運用することで効率化するとしています。そして▽東南アジアでの事業を協力して進めることや▽それぞれが持つ技術を共有することなどで業務提携し今後、具体的な内容をつめるとしています。

また、三菱自動車の相次ぐ不祥事が開発部門を中心に起きていて、企業風土や意識の改革を行うことが必要だとして、日産から人的・技術的支援を受けることで三菱自動車の開発部門の改革を進めることができるとしています。

三菱自動車の益子修会長はNHKのインタビューに対し「信頼回復に向けた大きな一歩になる。開発責任者は、ぜひ日産から来てもらってどの部門を補強すべきかを考えていきたい」と述べ、不正の再発防止に向けて、外の視点から改革を主導してもらいたいという考えを示しました。

ただ日産のカルロス・ゴーン社長は、NHKの番組で、燃費の不正などの問題について「対象の車の顧客に対して三菱自動車は補償を行う責任がある。日産ができることは再発を防ぐための取り組みの支援だ」と述べ、問題の対応には三菱自動車が責任を持つよう求めています。

燃費データ不正問題とは

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三菱自動車は、4月20日、日産自動車向けも含め、軽自動車4車種で、実際よりも燃費をよく見せる不正を意図的に行っていたと発表しました。

不正が行われていたのは、いずれも平成25年6月以降に生産した三菱自動車の「eKワゴン」と「eKスペース」、日産自動車向けの「デイズ」と「デイズルークス」です。これらの車種のうち、三菱自動車が販売したのは15万7000台、日産向けに生産したのは46万8000台で、合わせて62万5000台に上ります。

こうした不正は、日産側から指摘を受けて判明。三菱自動車は、対象となる車の生産と販売を停止しました。

三菱自動車は5月11日、国土交通省に追加で求められていた調査の結果について報告し、記者会見を行いました。この中で、不正を行った4つの車種の燃費を調べる走行試験を改めて行ったところ、公表している数値に比べて5%から最大で15%程度、燃費が悪くなった車種があったことを明らかにしました。

会社側はこれまで、公表されている燃費の数値との差は5%から10%程度としていました。国土交通省は正しい燃費を調べるため5月2日から独自に走行試験を行い、6月中に結果を公表する予定です。

不正の手口は

今回の問題で、国土交通省は、三菱自動車に立ち入り検査を行うなどして詳しいいきさつを調べています。会社側の会見やこれまでの取材で、データに手を加えた手口が明らかになっています。

燃費の試験には、タイヤと路面の摩擦で生じる「走行抵抗」のデータが不可欠で、メーカーが走行試験を行って測定し、申請することになっています。「走行抵抗」の値は、本来、実際に車を走らせる走行試験を行って、アクセルを踏まないまま一定の速度に落ちるまでの時間を計測して導き出します。

ところが三菱自動車は、不正が発覚した4つの車種のすべてで燃費のデータの根拠とすべき走行試験の測定結果を使わずに、「走行抵抗」のデータを検査機関に申請していました。

このうち平成25年に発売された車では、走行試験を行ったものの測定された値は使われず、代わりに根拠のない値が検査機関に提出されていたということです。 また、平成26年以降に発売された車では、以前に発売された車のデータが流用され、さらに目標の燃費に合わせて机上の計算で値が割り出され、検査機関に提出されていたということです。

本社管理職が子会社に不正指示

不正があった4車種の燃費の数値を算出する試験は、子会社の「三菱自動車エンジニアリング」に委託していて、この子会社の担当者は不正に関わったことを認めています。

三菱自動車は5月18日の記者会見で、性能実験部の管理職が平成25年に燃費の試験を委託していた子会社の担当者からタイで行った走行試験で目標の燃費を達成できなかったと報告を受けた際、試験で得たデータのうち都合のよい数値だけを選んで国に申請するよう不正を指示したことを明らかにしました。

この管理職は不適切だという認識がありながら、再試験の時間がないことから、不正を指示したとしています。これに対し、子会社の担当者は、「燃費向上を必ず達成すべき目標と感じていた。制約がある中で試験日程が組めなかった」などと話しているということです。

一方で三菱自動車側は、経営陣から直接的な不正の指示はなかったことを強調しました。益子修会長は不正の背景について「経営陣が開発部門などの関連部署の業務実態を十分に把握できておらず、結果的に不正が生まれる環境になった」と述べました。

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三菱自動車 技術試験センター(愛知・岡崎)