2022年11月8日
アメリカ中間選挙 アメリカ

アメリカ中間選挙 州知事選 注目州の結果は?

アメリカ中間選挙では、議会の上下両院の選挙のほか、全米50州のうち36州の知事を選ぶ知事選挙が同時に行われます。
このうち、特に激戦となっている6つの州の状況についてお伝えします。

これまでにフロリダ州、ジョージア州、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州で当選確実が出ました。また、アリゾナ州についても日本時間の15日に当選確実が出ました。

アリゾナ州 民主党に当選確実

ABCテレビは、西部アリゾナ州の州知事選挙について、民主党の新人のケイティ・ホッブス氏の当選が確実になったと伝えました。

ホッブス氏はアリゾナ州の州務長官などを経て、今回、初めて、知事選挙に立候補しました。

アリゾナ州は、伝統的に共和党が強い地域で、大統領選挙では1952年以降、1996年の1回を除いて共和党の候補が勝利してきましたが、2020年の選挙ではわずか0.3ポイント差でバイデン氏がトランプ氏に勝利しました。

ホッブス氏は人工妊娠中絶の権利の保障や、移民を受け入れつつ国境を管理する当局への予算の増額などを訴え、共和党の新人でトランプ前大統領の支持を受けたケリー・レイク氏をおさえて初めての当選を確実にしました。

フロリダ州 共和党に当選確実

ABCテレビは、南部・フロリダ州の州知事選挙について、共和党の現職、ロン・デサンティス氏の当選が確実になったと伝えました。

デサンティス氏は、44歳。フロリダ州の下院議員を務めたあと、2018年にフロリダ州の知事選挙に立候補し、初めて当選しました。

フロリダ州は、共和党、民主党の支持率がきっ抗し、選挙のたびに結果が変わる、いわゆる「スイング・ステート」で、2年前の大統領選挙では、共和党のトランプ氏が民主党のバイデン氏におよそ3ポイントの差で勝利しました。

デサンティス氏は、人工妊娠中絶への反対や不法移民対策の強化などを訴えて共和党の支持層を固め、民主党のチャーリー・クリスト氏をおさえて2回目の当選を確実にしました。

フロリダ州の州知事選挙には、▼共和党の現職、ロン・デサンティス氏と、▼フロリダ州の元知事で民主党のチャーリー・クリスト氏が立候補して激しい選挙戦が行われました。

ジョージア州 共和党に当選確実

ABCテレビは、南部・ジョージア州の知事選挙について、共和党の現職、ブライアン・ケンプ氏の当選が確実になったと伝えました。

ケンプ氏は、59歳。ジョージア州議会の上院議員などを経て2018年に初めて知事選挙に立候補し、当選しました。

今回の選挙戦では、前回の選挙と同じく、民主党の新人、ステイシー・エイブラムス氏との争いとなりました。

ケンプ氏は、企業の誘致などこれまでの実績をアピールしたほか、人工妊娠中絶の禁止などを訴え、今回もエイブラムス氏をおさえて、2回目の当選を確実にしました。

ミシガン州 民主党に当選確実

ABCテレビは、中西部ミシガン州の知事選挙について、民主党の現職のグレッチェン・ホイットマー氏の当選が確実になったと伝えました。

ホイットマー氏は、51歳。地元ミシガン州の上院議員を経て、2018年に知事に当選しました。

2年前、当時のトランプ大統領の一般教書を受けた民主党の反対演説を行いその名が知られるようになり、バイデン大統領の次の大統領候補とも言われています。

当時のトランプ政権の新型コロナ対策を批判してきたことから、トランプ氏がホイットマー氏のことを激しく批判することもありました。

ミシガン州は、大統領選挙では2012年まで20年間にわたって民主党の候補が勝っていましたが、2016年の選挙では共和党のトランプ氏がわずかな差で制し、前回2020年ではバイデン大統領が勝利している、激戦州の1つです。

ホイットマー氏は、知事に在職中に雇用を創出し教育支援を充実させた実績のほか、人工妊娠中絶の権利の保障などを訴え、民主党の支持者だけでなく、幅広い層に支持を広げ、共和党でトランプ氏が支持したチューダー・ディクソン候補をおさえて、当選を確実にしました。

ペンシルベニア州 民主党に当選確実

ABCテレビは、東部ペンシルベニア州の知事選挙について、民主党の新人のジョシュ・シャピロ氏の当選が確実になったと伝えました。

シャピロ氏は、49歳。州議会議員を経て、2017年から州司法長官を務めています。

シャピロ氏は、インフラへの投資や技術革新を促すことによる雇用の創出などを訴えていたほか、対立候補で共和党のマストリアーノ氏が前回の大統領選挙を不正だったと主張していることなどについて批判していました。

ペンシルベニア州は、1992年以降、大統領選挙では民主党の候補が勝利していましたが、2016年は僅差でトランプ氏が、前回2020年の選挙ではバイデン大統領が勝利した激戦州の1つです。

シャピロ氏は、トランプ前大統領が支持するダグ・マストリアーノ候補をおさえて当選を確実にしました。

ウィスコンシン州 民主党に当選確実

ABCテレビは、中西部ウィスコンシン州の知事選挙について、民主党で現職のトニー・イーバーズ氏の当選が確実になったと伝えました。

イーバーズ氏は71歳。教員や高校の校長などを務め、2018年に初めて知事選挙に立候補して、当選しました。

イーバーズ氏は選挙戦で人工妊娠中絶の容認や学校教育の充実などを訴え、共和党の新人で、トランプ前大統領の支持を受けているティム・マイケルズ氏をおさえて2回目の当選を確実にしました。

また、ウィスコンシン州ではことし4月、期日前投票を行うための本人確認の徹底などを盛り込んだ法案が州議会で可決されたものの、イーバーズ氏が署名せず、法律は成立しませんでした。

今回の選挙でマイケルズ氏が勝利した場合、2024年の大統領選挙に向けて、投票条件を厳格化する方向で州法の改正が進められるのではないかという見方が出ていて、注目されていました。

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