2023年3月16日
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中朝国境から見た北朝鮮の「民族最大の祝日」

2月16日。
北朝鮮では、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の父で2011年に死去したキム・ジョンイル(金正日)氏の誕生日です。

北朝鮮はこの日を「クァンミョンソン(光明星)節」と呼んで、「民族最大の祝日」と位置づけています。

2023年の特別な祝日を迎えた北朝鮮を対岸の中国側から撮影しました。

(上海支局カメラマン 小柳一洋 / 中国総局記者 石井利喜)

特別な祝日に人々は

国境の川の向こう側に見える北朝鮮の集落では、祝日ということですが、通りを歩く人は決して多くはありませんでした。

集落を歩く人たち

一方で、国旗と数多くのスローガンが掲示された建物の周りでは、楽しそうに遊んでいる10人近くの人たちの姿が見えました。

確認するとバレーボールを楽しむ姿でした。バレーボールは北朝鮮の人気スポーツの1つです。

バレーボールをする人々

2017年にはアメリカの研究グループが公開した衛星写真で、北東部プンゲリ(豊渓里)の核実験場でバレーボールをしているとみられる様子が確認されたことがあります。

この研究グループは「核実験場が待機状態に入り、休憩時間が与えられている可能性がある」と分析していました。

核実験が行われるおよそ半年前のことでした。

丘の上で”鬼ごっこ”?

さらに集落から少し離れた丘では、10人ほどが走り回っている姿が確認できました。

一瞬、軍の兵士たちが訓練でもしているのかと思いましたが、しばらく見ていたところ、どうやら鬼ごっこのような遊びをしているようでした。

鬼ごっこのような遊びをしていると見られる人々

新型コロナ「勝利宣言」も市民たちは

続いて目に入ったのは、国境の川沿いに張り巡らされた鉄条網のそばで監視にあたる兵士でした。

よく見るとマスクを着用しています。

マスクをする北朝鮮の兵士

北朝鮮は2022年8月、国内で新型コロナウイルスを撲滅したとして「勝利宣言」を行いました。

しかし、2020年1月から3年以上、外国との人の往来を止めていて、中国側からは「防疫監視所」と書かれた建物も確認できるなど、依然として新型コロナの流入に神経をとがらせている様子がうかがえました。

集落の中心部にある広場では

集落にある広場には、高さが少なくとも5メートル以上はありそうな、キム・イルソン(金日成)主席とキム・ジョンイル総書記の壁画が確認できました。

背景に描かれていたのは、北朝鮮が「聖地」と位置づける、ペクトゥ(白頭)山です。

北朝鮮ではこうした特別な祝日には最高指導者の銅像や壁画を訪れるのが慣習です。この日も壁画の下には花かごが置かれ、人の行き交う姿がみられました。

広場に設置された壁画 花かごが確認できる

取材を終えて

新型コロナの影響で北朝鮮内部の状況がこれまで以上に伝えられない中で、人々のありのままの姿をかいま見ることができた瞬間でした。

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