最初の大きな地震が発生してから10日あまり。
トルコ国内でも多くの犠牲者が確認されているハタイ県の中心都市アンタキヤを訪れると、そこには至る所に手作りのテントが張られていました。

そんな中、親族など12家族、約70人で避難生活をしているという、オズゲ・コチャクさん(38)に話を聞かせてもらうことができました。

自宅は半壊し、隣にある空き地にテントを張って暮らしていました。
テントに案内してもらうと、中には17人が暮らしていました。寒さで体調を崩し、寝込んでいる人もいます。
コチャクさんが特に心配しているのは、3歳になる娘のウラスちゃんのことだと教えてくれました。

「娘は3歳ですが、地震のことはよく理解しています。10日以上たった今でも、夜中に突然起きて叫ぶんです。『ママ、地震の音が聞こえる』と」
ウラスちゃんは、大地震が起きたあの日の地響きが今も耳に残り、パニックになってしまうというのです。
ユニセフによると、今回の地震で被害を受けたトルコ国内の10県には、約460万人の子どもが暮らしていて、隣国シリアでも250万人以上の子どもたちが被災しているということです。
4万人以上が犠牲になった今回の地震。発生から何日もたってからの、奇跡的な救助の模様も伝えられています。
その一方で、地震によって負った心の傷は、子どもたちを含め、多くの人たちに深く刻まれています。
