2022年10月20日
アメリカ中間選挙 アメリカ

【ショートコラム】消された風刺画が意味するものは?

人工妊娠中絶をめぐる問題が大きな争点となっているアメリカの中間選挙。

厳しい中絶の規制を導入した共和党の政治家を風刺する絵がSNSで拡散され、大きな話題となりました。

南部テキサス州・サンアントニオで撮られた写真がこちら。

赤いTシャツを着ているのは、共和党のテキサス州のアボット知事。

お腹が妊婦のように大きく膨らんでいます。

そのお腹を支えるように後ろから寄り添うのは、同じく共和党のテキサス州選出、テッド・クルーズ上院議員です。

2人の背後には、銃を手にした神様のイラストとともに「W.W.J.D=What Would Jesus Do」(こんな時、神様だったらどうするだろう)の文字が記されていました。

共和党の中でも保守色の強いアボット知事が“妊娠”し、クルーズ議員とともに描かれているこの風刺画。

誰が描いたのかはわかっていませんが、SNS上では「男性が妊娠できたら、中絶の規制をめぐる問題は起きていない」などとして瞬く間に拡散しました。

実際に見てみようと、話題になり始めてから1週間ほどたって現場を訪れてみたのですが・・・

紫色の壁の一部だけ不自然に色が濃くなっていて、すでに消されていました。

消された経緯を調べようと、地元のニュースを検索してみたものの、分かったのはこの絵が書かれた建物は2018年までパーティーグッズを売る店だった、ということぐらい。

誰が描いたのかも、誰が消したのかも分からない、中絶の規制を風刺する絵。

この問題の根深さを物語っているようにも感じました。    

国際ニュース

国際ニュースランキング

    特派員のスマホから一覧へ戻る
    トップページへ戻る