平成は「戦争がなく平和な時代」79% NHK世論調査

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「平成」から新しい元号に改められるのを前に、NHKは全国で世論調査を行いました。この中で、平成という時代に当てはまるイメージについて尋ねたところ、「戦争がなく平和な時代」が79%に上ったのに対し、「社会的弱者に優しい時代」は30%にとどまりました。

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NHKは去年9月から11月にかけて、無作為に抽出した、全国の18歳以上の男女合わせて6000人を対象に郵送で世論調査を実施し、59%に当たる3554人から回答を得ました。

「治安がよい時代」56% 「男女が平等な時代」48%

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このうち、平成という時代に持つイメージについて、8つの項目をあげて、当てはまるか当てはまらないか尋ねたところ、当てはまると答えた割合が最も高いのは、
▽「戦争がなく平和な時代」で79%、次いで、
▽「治安がよい時代」が56%、
▽「男女が平等な時代」が48%、
▽「民主主義が成熟した時代」が47%でした。

一方、
▽「経済的に豊かな時代」は40%、
▽「家族の絆が強い時代」は39%、
▽「地域が助け合う時代」は36%で、
▽「社会的弱者に優しい時代」は30%にとどまりました。

「平成」になってよくなった 「情報通信環境」88%

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また10の分野について、「平成」になってから日本はよくなったと思うか悪くなったと思うか尋ねたところ、よくなったと答えた割合が高いのは、
▽「情報通信環境」が88%、次いで、 ▽「道路交通網」が82%、 ▽「防災」が75%、 ▽「医療・福祉の体制」が65%、 ▽「教育」が55%でした。

一方、
▽「治安」は49%、 ▽「雇用・労働環境」は40%、 ▽「国の経済力」は26%、 ▽「日本を取り巻く国際情勢」は25%で、 ▽「政治への信頼」は22%にとどまりました。

「昭和」「平成」どちらがよい時代? 年代別に異なる結果

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さらに、「昭和」と「平成」はどちらがよい時代だったと思うか尋ねたところ、
▽「昭和」は55%、
▽「平成」は42%でした。

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これを年代別にみてみますと、
▽「平成生まれ」がほとんどの10代・20代は77%が「平成」と答え、
▽「昭和」の時代を幼い時期に過ごした30代は、61%が「平成」と答えました。

一方、
40代以上は「昭和」という答えが多く、
▽40代は56%、
▽50代は66%、
▽60代は69%と、
年齢があがるごとに「昭和」と答えた割合が増えていますが、
▽70歳以上になると「昭和」と答えた割合はやや下がり、58%でした。

市区町村 「発展」67%「衰退」30%

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あなたの住む市区町村が「平成」になって発展したと思うか、衰退したと思うか尋ねたところ、「発展した」が67%、「衰退した」が30%でした。

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これを自治体の規模別に見ますと「東京23区と政令指定都市」では74%、「政令指定都市を除く市」は66%、「町と村」は58%と、規模が小さくなるほど、「発展した」が減り、「衰退した」が増えています。

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また、いわゆる「平成の大合併」と呼ばれる市町村合併の評価を尋ねたところ、「大いに評価する」が4%、「ある程度評価する」が50%、「あまり評価しない」が36%、「全く評価しない」が7%でした。

専門家「平成は戦争がなく平和なイメージ」

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今回の調査結果について、平成の政治史に詳しい法政大学の白鳥浩教授は、「昭和の時代は、昭和20年までの戦争のイメージが強いため、その対比として平成は戦争がなく平和なイメージだと思っている人が多いのだと思う。40代以上の世代は、日本が右肩上がりに発展し、世界をりょうがしていたことを覚えているので、昭和がよいと答えているのではないか。ただ、70代以上の世代は、昭和に対するノスタルジーがある一方で、戦争に対する強い記憶があるため、平和な時代の平成もよいと答えていると思う」と話しています。

また、「昭和の時代は国のスローガンとして国土の均衡ある発展というものがあったが、それがなしえないと言うことで平成の大合併が後押しされた。市町村合併が行われ、都市に資源を集中する中で、地方や小さな自治体は置き去りにされていくという選択が行われた。そういう時代が平成だったということをよく表している」と話しています。