Q.ワクチンを接種したら感染対策の必要はなくなる?

A.
ワクチンを接種しても、マスクの着用や3密を避けるといった、いま行っている対策を当面は続ける必要があると、専門家は指摘しています。

国内で接種が行われている新型コロナウイルスのワクチンは、高い効果が確認されていて、ファイザーのワクチンの場合、臨床試験で発症を防ぐ効果が95%などと高いことが確認されたほか、海外からの報告では感染そのものを防ぐ効果があることも分かってきました。

ワクチンの接種が進む中、アメリカのバイデン大統領は2021年5月13日、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了した人は原則としてマスクを着けなくてもよいとする新たな指針を発表しました。

指針では、ワクチン接種を完了した人は、公共交通機関を利用する場合などを除いて、屋内外でマスクを着ける必要はなく、人との距離を取る必要もないとしています。

これに対して、日本国内では、ワクチン接種がアメリカほどには進んでいません。

多くの人が免疫を持つことで大きな流行を防ぐ、「集団免疫」が成立するためには少なくとも人口の6割、もしくは7割以上が接種を受けることが必要と考えられていますが、日本国内では届いていません。

さらに▼ワクチンを接種したからと言って感染や発症を完全に防ぐことはできず、▼アメリカなどでもワクチン接種が十分に進んでいない地域では感染が続いています。

ワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授はワクチンを接種しても感染を広げたり、発症したりする可能性が完全になくなるわけではなく、さらに発症した場合の治療で特効薬はないため、ワクチンを接種したとしてもしばらくはマスクを着用するなどの対策を続ける必要があるとしています。

(2021年6月29日時点)