大阪「第4波に入った」
感染再拡大 いったいなぜ?

2021年3月29日

新型コロナウイルスの感染が再拡大している大阪府。吉村知事は3月29日、大阪府内では新型コロナウイルスの感染が再拡大し、「第4波に入った」という認識を示しました。いったいなぜ感染が拡大しているのか、データをもとにみていきます。

大阪府は3月26日、大阪市内の飲食店などに出している営業時間の短縮要請を4月21日まで延長したうえで、4月1日からは対象エリアを府内全域に拡大することを決めました。

時短要請の期間の延長と、地域の拡大が決まったのは、感染が拡大している傾向が、はっきりしたからです。

緊急事態宣言解除後に増加傾向に

こちらは大阪府の新規感染者数を1月からグラフで示したものです。

大阪で緊急事態宣言が解除された2/28のあと増加する傾向に転じ、3月26日は300人でした。その後、3月27日は386人、3月28日は323人と、300人を上回っています。3月28日は東京都の313人を上回り、この日全国で最も多くなりました。

時短要請の有無と感染状況は

こちらは、3月以降の新規の感染者を、大阪市内と大阪市外で分けて示したものです。

赤が大阪市外、青が大阪市内です。

飲食店への時短要請が出されていない大阪市外では、緊急事態宣言の解除以降、緩やかに増え続ける傾向がわかります。

一方、時短要請が継続していた大阪市内も、横ばいか減少傾向だったものが、最近になって急激に上がっています。

変異ウイルス 検査対象の半数近くに

感染者数が急激に増えている原因の一つは「変異ウイルス」とみられています。

大阪府は変異した新型コロナウイルスがどれくらい広がっているか実態を調べるため、ことし1月からスクリーニング検査を行っています。

検査の対象には変異ウイルスの濃厚接触者などが含まれているため、大阪府はこの割合がただちに変異ウイルスの広がりの全体状況を示すものではないとしていますが、割合がどんどん上がっていることがわかります。

3月14日から20日までの1週間の陽性者、800人の1割を調べたところ、およそ45%が変異ウイルスでした。

大阪府の会議でも大阪大学の朝野和典教授は「現場では変異株の増加が急激に起こっている実感がある。変異株の感染力や病原性の解析を進める必要がある」と指摘しています。

また、りんくう総合医療センターの倭感染症センター長は、「特に20代から30代の新規陽性者数が急増していて、感染の急拡大が懸念される」という意見を出していました。