大阪府
新型コロナ感染高止まり

時短要請延長
大阪市内全域に

2020年12月14日

大阪府は新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、大阪 北区と中央区の一部の飲食店などに出している営業時間短縮の要請について、感染の高止まりが続いているとして、12月15日までとしていた期限を12月29日まで2週間延長するとともに、対象エリアを大阪市の全域に広げることを決めました。

大阪府は、重症患者の急増を受けて、大阪 北区と中央区の酒類を提供する飲食店などを対象に、12月15日までの期限で営業時間短縮の要請を行っています。

これについて府は12月14日夕方、対策本部会議を開き、吉村知事は「感染は高止まりしているというのが今の評価だ。医療体制がひっ迫している中で、年末年始でさらに手薄になる時期も迎えることになる。府民の命、健康を守るためには、ブレーキをかける側面を強化する必要がある」と述べました。

そして、要請の期限を12月29日まで2週間延長するとともに、対象エリアを大阪市の全域に広げることを決めました。

対象となるのは、これまでと同様に、居酒屋などのほか、キャバレーやホストクラブなど接待を伴う飲食店、酒類の提供を行うバーやナイトクラブ、カラオケ店などで、営業時間を午前5時から午後9時までとするよう要請します。

要請に応じた店には、延長した14日間で合わせて48万円の協力金を支給する方針です。

一方、業種別のガイドラインを順守していない店には、休業を要請することにしています。

また、府民に対し、できるかぎり不要不急の外出を自粛するよう求めている要請についても、12月15日までとしていた期限を12月29日まで2週間延長し、表現を強めて「不要不急の外出を自粛すること」としました。

大阪市内の飲食店は

大阪 北区と中央区の一部の飲食店などに対して出されている営業時間の短縮要請を、大阪府が大阪市全域に広げることについて、これまで要請のエリア外だった場所にある飲食店からは、不安の声が聞かれました。

大阪 都島区の京橋駅近くにあるイタリア料理店では、これまで感染防止対策を徹底しながら午後11時ごろまでの営業を続けてきました。

営業時間の短縮要請には基本的に応じる考えですが、要請に応じた場合の協力金の内容などを見て、最終的に判断するということです。

店では、例年12月は忘年会など貸し切りの予約が多くあるものの、ことしはゼロになっていて、12月、これまでの売り上げは2019年と比べて60%減っているということです。

オーナーシェフの吉田誠也さんは「感染拡大防止には協力をしたいという思いはあるが、店の経営を考えると時短要請に応じるのは苦しい決断です」と話していました。

そのうえで、国や府が行っている今の感染拡大防止策について「仕方がない部分があるものの、人の動きを止める呼びかけ自体が中途半端で、甘い部分があるのでないかと思います」と話し、店側の判断に委ねるのではなく、より強力な対策が必要ではないかと訴えていました。

街の人は

営業時間の短縮要請が大阪市全域に拡大されることについて、これまでエリア外だった都島区の京橋駅を利用する人からは、さまざまな声が聞かれました。

会社員の50代の女性は「私自身は要請に応じて外での飲み会は控えている状況で、感染が拡大する中ではやむを得ない判断だと思います」と話し、理解を示していました。

一方、30代の会社員の男性は「飲食店を経営する人に対しては気の毒な思いがありますが、キタやミナミに比べて利用は少ないとはいえ、もう少し早くこのエリアでも時短要請をやってもよかったと思います」と話し、より素早い対応が必要だったのではないかとしていました。

また、20代の教員の男性は「新型コロナウイルスで亡くなる人より自殺者のほうが多いというニュースもある中で、経済の動きを大きく止める対策を打ち出すのは難しい判断だと思います」と話していました。