緊急事態宣言解除
休業要請 段階的に緩和

2020年5月25日

東京都

東京都は5月25日、小池知事らが出席して新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、緊急事態宣言の解除を受けて、5月26日午前0時から、都のロードマップに沿った段階的な休業要請の緩和を始めることを確認しました。

ロードマップは4つのステップで緩和を進めていくとしていて、5月26日からの「ステップ1」では博物館や図書館、観客席を除いた屋内の運動施設などが緩和の対象になるほか、飲食店の営業時間も2時間延長されて午後10時までとなります。

都は早ければ5月30日から生活必需品以外の小売店などが緩和の対象となる「ステップ2」に入ることも検討していて、会議では感染状況などを踏まえ、専門家の意見も聞きながら判断していくことを確認しました。

一方、都のロードマップで緩和の対象から外れている、接客を伴う飲食店やライブハウス、スポーツジムなど、これまでに「クラスター」が発生している施設は、国が基本的対処方針で考え方を示した段階でロードマップを改定し、緩和の目安などを盛り込むことを明らかにしました。

また休業要請に応じた事業者への「感染拡大防止協力金」は支給の条件を緊急事態宣言が出されている間の休業としていたため、解除に伴って、5月25日までの休業とすることを明らかにしました。

緊急事態宣言が解除されることについて小池知事は「ひとえに都民、事業者の大変なご協力のたまもので、心から感謝を申し上げたい」と述べました。そのうえで、「緊急事態宣言が解除されたからといって、感染の危険性がなくなった訳ではない。テレワークを活用し、手洗いの徹底とマスクの着用、ソーシャルディスタンスを確保した行動などを引き続き実践していただきたい。都と隣県の境を越えた不要不急の移動については引き続き自粛をお願いする」と述べました。そして、「見えない敵であるウイルスとの戦いは長期にわたることが見込まれる。第2波がいつくるかわからずコロナとの共生も考えないといけない。今後、感染拡大防止と経済社会活動が両立した『新しい日常』が定着した社会を構築しなければいけない」と述べました。

このほか、会議では休校が続いている都立の高校、中高一貫教育校、特別支援学校は6月1日に再開することが報告されました。

神奈川県

神奈川県は休業要請の緩和をすべての業態や施設を対象に2段階で行う方針で、宣言の解除を受けて開かれた対策本部会議では「ステップ1」の休業要請の緩和を予定どおり5月27日午前0時から行うことを正式に決めました。感染防止策を徹底したうえで、すべての業種で午後10時まで営業ができるようになり、小規模なイベントの開催も可能になります。

次の「ステップ2」で、営業時間の短縮が解除されるほか、中規模イベントも開催できるようになりますが、感染状況を踏まえ、およそ3週間後に判断するということです。そのうえで当面は生活や仕事に必要な場合を除き、県域を越えた移動を控えることなどを求めるメッセージを出し、県民に協力を呼びかけました。

黒岩知事は「全業種で緩和する神奈川の基準が緩いとは思っておらず、すべての店に感染拡大の防止に取り組んでもらうための判断だ。ウイルスはすぐそばにいると認識していただき、事業をそろりそろりと動かし経済活動を回していく中で、新たな日常を作り出していきたい」と話していました。

埼玉県

埼玉県は5月25日、対策本部会議を開き、4月から続けてきた外出自粛と一部の施設に対する休業要請を解除することを決めました。

休業要請が解除されるのは、
▼延べ床面積が1000平方メートルを超える自動車学校や学習塾など学習支援業を営む施設
▼劇場や映画館、演芸場、集会場、公会堂、展示場などの施設
▼マージャン店、パチンコ店、ゲームセンターなどの遊技場
▼射的場や場外馬券売り場などの遊興施設で、いずれも十分な感染防止策を図ることが条件です。

このうちネットカフェや漫画喫茶、それにカラオケ店については個室をテレワークで利用する場合にかぎり、解除の対象とするということです。

また午後7時までとしている飲食店の酒類の提供時間を午後10時までに緩和します。

一方、5月25日に休業要請が解除されなかった施設についても、感染状況などを見極めながら今後改めて判断するということです。

千葉県

千葉県は緊急事態宣言に基づく休業要請の措置を業種別に「A」から「D」の4段階で緩和する計画で、「A」に当たる図書館や博物館などについてはすでに再開を認めています。

さらに政府が緊急事態宣言をすべて解除したことを踏まえて5月25日夜、県庁で対策本部を開き、「今週半ば」に休業要請の措置を緩和するとしていた「B」の施設について、5月26日午前0時以降、再開を認めることになりました。対象となるのは、大学、学習塾、映画館、ホテルや旅館の宴会場、それに幕張メッセなどの展示場です。

また「C」に当たる水族館や体育館、パチンコ店、ネットカフェなどについては、6月1日からの営業を認めるほか、「D」に当たる施設のうちスポーツクラブとカラオケ店については、感染拡大防止対策の徹底などを条件としてこの日から休業要請を解除することになりました。

一方、「D」に当たる施設のうちライブハウスやキャバレー、ナイトクラブなどについてはいわゆる「3密」が生じやすいとして当面、休業要請を継続し、県内の感染状況や国の動向を踏まえて解除の判断をするとしています。

そして飲食店での酒類の提供については、これまで午後7時までとしていたところ、5月26日からは午後10時までに緩和することにしました。

千葉県では5月25日まで4日連続で新たな感染者は確認されていませんが、引き続き監視を強化したうえで、感染者数や陽性率などが一定の基準を上回った場合には、改めて施設の使用停止や外出自粛を要請することがあるとしています。

森田知事は記者会見で、「医療体制や病床の確保など感染拡大の第2波に対しての備えを続けていく。今までのような事態に逆戻りすることを避けるため、新しい生活様式を実施するとともに引き続き県をまたぐ移動は控えてほしい」と強調しました。

北海道

北海道では緊急事態宣言の解除に先だって5月25日から休業要請が大幅に解除されていますが、鈴木知事は今後の感染状況を見極めながら6月以降のさらなる緩和を検討する考えを示しました。

鈴木知事は記者団に対し、「宣言が解除されても、感染がゼロになるわけではない。北海道では、感染経路が不明な感染者が一定程度出ていることなど、現状をしっかり認識し、注意しなければならない」と述べ、解除後も、感染防止対策を徹底するよう呼びかけました。

北海道では5月25日から休業要請が大幅に解除されていますが、鈴木知事はバーやスポーツクラブなど一部に対する休業要請や、感染が広がっている札幌市とそのほかの市町村との往来の自粛要請については5月いっぱい継続することを明らかにしました。そのうえで、今後の感染状況を見極めながら6月以降のさらなる緩和を検討する考えを示しました。5月29日までに6月以降の対応を明らかにするということです。