新型コロナ 自宅療養者の健康観察
薬局が協力 東京 練馬区

2022年2月13日

新型コロナの自宅療養者は都内で9万人を超えて最多となる中、練馬区では区内にある200か所の薬局に自宅療養者の健康観察に協力してもらう取り組みが進んでいます。新型コロナの薬を自宅に届けるとともに、患者にとって身近な医療従事者として体調の変化がないか聞き取っています。

都内の新型コロナの感染確認は、4日連続で前の週の同じ曜日を下回っていますが、連日1万人以上となっていて、自宅療養者は2月12日は9万人を超え、これまでで最も多くなりました。

練馬区は保健所の負担を減らそうと、区内の170か所の診療所や200か所の薬局が自宅療養者への健康観察を「複数の目」で担う取り組みを進めています。

練馬区東大泉にある薬局には、70代の女性を診察した医師から電話が入り、新型コロナの飲み薬を処方するので自宅に届けてほしいと依頼がありました。

薬剤師はFAXで届いた処方箋の情報に沿って薬を用意しながら、女性に電話をしてこれまでに副作用が出た薬がないか確認したうえで、薬の飲み方などを伝えました。

この日は雪が降る中、薬剤師はタクシーに乗って薬を届けていました。

この薬局で継続して健康観察を行う患者はおよそ30人に増えていて、ほかにも薬を処方した患者に電話をかけ、薬の効き目や現在の症状を確認したり、同居する家族に体調の変化がないか聞いたりして、「医師に状況を報告しておくので気になることがあればいつでも薬局に電話してほしい」と伝えていました。

自宅療養を続ける女性は「保健所や病院は忙しくてなかなか電話がつながらない中、気兼ねなく相談できる薬局の存在は助かります」と話していました。

會田一惠薬剤師は「医師も健康観察をしていますが患者をたくさん抱えて情報を整理するのが難しいと思うので、私たち薬剤師から見た情報も先生に集約することで診断の助けになればと思います。患者をひとりぼっちにさせないことが区の取り組みの特徴なので、医師に比べて患者に近い立場にいる医療従事者だと感じてもらえたらと思います」と話していました