新型コロナ感染の精神疾患や
認知症患者の受け入れ病床ひっ迫

2022年1月28日

新型コロナに感染した精神疾患や認知症の患者の入院を受け入れている東京都内の病院では、すでに満床となっているところがあり、医療現場では、これ以上の受け入れは難しくなってきていると危機感を強めています。

東京 小平市にある国立精神・神経医療研究センター病院は、新型コロナに感染した精神疾患や認知症の患者を受け入れる病床を14床設置しています。

感染した患者の症状は比較的軽いということですが、感染の拡大に伴って1月20日からは満床となっていて、1月28日も1人の退院が決まった直後に新たな入院の要請が入り、さらなる患者の受け入れができない状態になっていました。

病院によりますと、患者はマスクの着用の徹底など感染対策が困難なケースが多く、対応が難しいほか、精神科の専門的な対応と新型コロナの治療を同時に行える病院が少ないことから、2020年の年末から2021年初めにかけての感染の第3波以降、感染が拡大するごとに病床はひっ迫したということです。

現在は、この病院だけでなく、新型コロナに感染した精神科の患者を受け入れている都内のほかの病院も満床に近づいているということです。

病院の野田隆政精神科医長は「どこかの段階で、受け入れができなくなるという危機感を強く持っている。新型コロナの感染拡大で弱い立場の人が医療を受けづらい状況になってしまっている」と話していました。