東京都 病床使用率20%で
“まん延防止” 国に求める方針

2022年1月13日

新型コロナウイルスの感染の急速な拡大が続き入院患者が増える中、東京都は、都内の病床使用率が20%になった段階で「まん延防止等重点措置」を講じるよう国に求める方針を固めました。

都の病床使用率は、1月12日の段階で13.7%となっていて、1月13日に開かれたモニタリング会議では、専門家が「体制強化の準備が必要な状況である」と評価していました。

都内 オミクロン株感染疑い 検査対象の83.9%に

都のモニタリング会議での報告によりますと、都内で一部の感染者を対象に1月10日までの1週間に行ったスクリーニング検査で、判定不能だった人を除いて83.9%にあたる1629人がオミクロン株に感染している疑いがあることが分かったということです。

この検査で、最初にオミクロン株の疑いがあると確認されたのは2021年12月20日までの1週間で、疑いの割合は5.1%でした。

その翌週の2021年12月27日までの1週間は疑いの割合が9.1%に、そして、次の週の1月3日までの1週間には49.1%にまで増加していました。

今回、4週目で34.8ポイント増加して80%を超えました。

また、デルタ株やアルファ株を念頭にこれまで行っていたスクリーニング検査と比べると、80%を超えるのにかかった期間は、オミクロン株の場合、デルタ株より9週間、アルファ株より14週間早くなっているということです。

都の「専門家ボード」の座長で、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「これまでにないスピードでオミクロン株への置き換えが進んでいる」と分析したうえで「状況に注意しながら医療提供体制の確保などに先手先手で取り組んでいく必要がある」と述べました。

病床使用率20%「かなり早い時期に達する可能性」

モニタリング会議のあと東京都医師会の猪口正孝副会長は、都内の病床使用率が20%になった段階で都がまん延防止等重点措置を要請するとしたことについて「今の病床使用率の上昇の速度だと、20%にはすぐに達しそうだが、無症状で入院している人をスムーズに自宅療養に戻したり、経口薬などで治療できるようになったりするなど、いくつかのファクターで、先に伸びるかもしれない。ただ、かなり早い時期に達する可能性はある」と話していました。

オミクロン株「『軽症だ』と簡単には片づかない」

モニタリング会議のあと国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、オミクロン株について「これだけ感染が広がってくると入院する人も目立つようになったし、実際に酸素投与が必要な人も出てきている。これまで言われているような『軽症だ』と簡単には片づかない病気なんだというのは現場で感じている。そこのところはしっかりと見ながら、後手後手にならないよう対応したい」と話していました。