東京都 コロナ警戒レベル1段引き上げ
“社会活動停止の可能性”

2022年1月13日

東京都内の新型コロナウイルスの感染状況などを専門家が評価・分析するモニタリング会議が開かれ、専門家は、新規陽性者がこのまま高水準で増加すれば1週間後の7日間平均は1万人近くになるとしたうえで「すべての都民が、感染者や濃厚接触者となるリスクが高まり、社会活動の停止を余儀なくされる可能性がある」と述べ、対策を早急に検討する必要があると指摘しました。

1月13日に開かれた都のモニタリング会議で、専門家は、都内の感染状況の警戒レベルを1段引きあげ、上から2番目の「感染が拡大している」と評価しました。

1月12日までの新規陽性者の7日間平均は1136人となり、1週間で8倍余りに増加したと説明し「これまでに経験したことのない高水準だ」と指摘しました。

そのうえで、この水準が継続すると、1週間後の1月20日までの7日間平均は9576人まで増加し「危機的な感染状況となる」と述べました。

また、オミクロン株の急速な拡大を受けて専門家は「医療従事者、エッセンシャルワーカーを含むすべての都民が、感染者や濃厚接触者となるリスクが高まり、社会活動の停止を余儀なくされる可能性がある」と述べ、社会活動を維持して、都民の生活を守るための対策を早急に検討する必要があると指摘しました。

一方、1月13日の会議では、医療提供体制の警戒レベルも1段引き上げられ、上から3番目の「体制強化の準備が必要な状況である」と評価されました。

入院患者は1月12日時点で954人と、1週間で2.6倍に増加しています。

専門家は「第5波を超える感染状況に対応できるよう感染者の入院医療、宿泊および自宅療養の療養先をより効率的に選定し、円滑に療養生活へ移行できる体制を迅速に構築する必要がある」と指摘しました。

また「医療従事者などが感染者や濃厚接触者となり、就業制限を受ける人が多数発生すれば、病床が空いていても、マンパワー不足で患者の受け入れができなくなり通常の医療も含めた医療提供体制がひっ迫することが予想される」とも指摘し、強い危機感を示しました。

「1月中にも 一日当たりの陽性者数 1万人に」

都福祉保健局の中村倫治局長は、大学教授など複数の専門家が行った、今後の都内の感染状況のシミュレーション結果を紹介しました。

この中で中村局長は「多くの先生が1月中にも新型コロナウイルスの都内の一日当たりの陽性者数が1万人を超えるという推計をしているところだ。都はすでに医療療養体制の引き上げ準備を行っているが、今後とも先手先手で十分に備えをしていきたい」と述べました。