都内でオミクロン株
市中感染受け無料検査約180か所に拡大

2021年12月27日

東京都内でオミクロン株の市中感染が初めて確認されたことを受け、都民を対象に希望すれば誰でも無料で検査が受けられる取り組みが12月27日から都内のドラッグストアなどおよそ180か所に広げて始まりました。

12月24日、東京都内で初めてオミクロン株の市中感染が確認されたことを受け、都は症状がない場合でも感染に不安を感じる都民は希望すれば誰でも無料で検査を受けられる取り組みを25日から一部の民間検査機関で始めました。

そして、12月27日から検査が受けられる場所がドラッグストアなどおよそ180か所に広がりました。

都によりますと、検査場所の拡大で都内では1日当たりおよそ3万件の検査が行えるということです。

12月27日から拡大した検査場所のうち、池袋駅近くにある検査センターには多くの人が訪れていました。

新潟県に帰省するという20代の男性は「帰省するのであれば検査を受けてくるよう家族に言われたので来ました」と話していました。

また、20代の女性は「施設にいる祖母に会いにいくには陰性の証明が必要です。祖母は体調が悪く、1年近く会っていないので検査を受けることにしました」と話していました。

この検査は都内に住む住民が対象ですが、健康上の理由や12歳未満でワクチンの接種を受けられない人については都民でなくても受けられます。

PCR検査か抗原検査を選ぶことができ、PCR検査であれば早ければ当日に、抗原検査であれば10分程度で結果が出るということです。

結果の有効期限は、PCR検査の場合は検体を採取した日から3日後まで、抗原検査の場合は検体を採取した日の翌日までです。

陽性の結果が出た場合は、都が改めて医療機関を受診し確定の診断を受けるよう勧めるということです。

検査を受けるには、運転免許証やマイナンバーカードといった名前や住所、年齢など本人と確認できるものが必要です。

事前の予約は必要ありませんが、一部の検査機関では予約を優先しているところもあるということです。

検査が受けられる場所は、都のホームページで公表されています。

八王子市 保健所に職員が応援の仕組み整備

東京 八王子市は、年末年始に向けて新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染の広がりに備えて、患者の健康観察などを行う保健所に市の職員が応援に入る仕組みを整え、対応に当たろうとしています。

新型コロナウイルスの第5波では、急速に感染が拡大したことで、保健所の業務がひっ迫し、自宅療養者の体調を確認する健康観察などに遅れが出るケースもあったということです。

これを教訓に、市は年末年始に向けて保健所に市の職員を応援に入れる仕組みを整えました。

感染状況に応じて、1日当たり8人から16人と応援職員の人数を設定し、入院調整や受け入れ病院を陽性者に連絡することなど、どの業務をどの応援職員が担当するか、あらかじめ決めておくということです。

また、5日ごとにそれぞれの応援職員の役割を細かく決めておくことで、年末年始の期間でも円滑に業務を進めることができるとしています。

こうした応援は、オミクロン株の感染拡大も見据えて2022年3月末まで維持するということです。

八王子市の新型コロナ対策担当の坂口崇文課長は「第6波ではわれわれの想像を超える感染状況になるかもしれない。職員には負担になるかもしれないが、仮に年末年始に急激に感染が拡大したとしても迅速に対応できるように全庁体制で準備したい」と話していました。

大田区 年末年始も7病院でローテーション組み対応

東京 大田区は、年末年始の期間中も新型コロナウイルスに感染した人たちに迅速に抗体カクテル療法を行おうと、7つの病院でローテーションを組んで対応に当たることにしています。

東京 大田区は、第5波で保健所がひっ迫した教訓を踏まえ、最初に患者を診察したかかりつけ医が、保健所を通さずに抗体カクテル療法を行える病院に直接依頼することにしています。

医療従事者の人手が少なくなる年末年始の期間中も、迅速に治療に当たろうと、オミクロン株の患者の専用病院などを除く、7つの病院でローテーションを組んで対応することを決めました。

具体的には、現在の感染状況の場合、1日当たり10人程度を治療できる態勢があれば対応できると判断し、毎日、7つの病院のうち、4つの病院で治療を行う計画にしています。

対象は、オミクロン株を除いたデルタ株などの患者で、想定以上に治療が必要な患者が増えた場合は7か所すべての病院で可能なかぎり対応するということです。

計画の中心を担っている「大森赤十字病院」の中瀬浩史院長は「年末年始でもどの病院も休むというわけにはいかないので、スタッフの負担を少しでも減らしたいと考えた。年末年始でも医療の網の目が崩れることなく、抗体カクテル療法を的確に使っていくことが非常に大事だと考えている」と話しています。