救急患者「搬送困難な事例」
前週下回るも高水準 総務省消防庁

2022年8月23日

8月21日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は6107件と前の週を下回ったものの、依然として多い状態が続いていることが総務省消防庁のまとめで分かりました。
総務省消防庁は「新型コロナウイルスの感染拡大前と比べると6倍余りに上り、危機感を持って推移を注視したい」としています。

総務省消防庁は患者の搬送先が決まるまでに、病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに毎週、取りまとめています。

8月21日までの1週間は6107件で前の週より600件余り減りました。

ただ、新型コロナウイルスの第6波で最多だった、ことし2月の6064件より40件余り多く、新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる、2019年の同じ時期のおよそ6.1倍となっています。

このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは2495件で、全体の40%を占めています。

「搬送が困難な事例」を地域別にみると
▽東京が2540件
▽大阪市が575件
▽横浜市が409件
▽千葉市が251件
▽さいたま市が221件
▽名古屋市が171件
▽札幌市が170件
▽福岡市が168件
▽仙台市が161件
▽神戸市が147件
▽京都市が145件
▽広島市が131件などとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期と比べると
▽東京が6.26倍
▽大阪市が3.73倍
▽横浜市が10.49倍
▽千葉市が2.99倍
▽さいたま市が6.5倍
▽名古屋市が19倍
▽札幌市が7.08倍
▽福岡市が18.67倍
▽仙台市が6.44倍
▽神戸市が18.38倍
▽京都市が9.06倍
▽広島市が6.24倍となっています。

このほか、大都市と比べると件数自体は多くないものの、全国各地で搬送困難な事例が感染拡大前に比べて増えています。

総務省消防庁は「前の週に比べて件数が減ったものの、依然として高い水準を維持していて、新型コロナウイルスの感染拡大前の6.1倍に上っている。引き続き危機感を持って、今後の推移を注視していきたい」としています。