沖縄本島地域 コロナ病床使用率100%超
医師「絶望的な状況」

2022年8月16日

沖縄県の沖縄本島地域では新型コロナ用の病床使用率が100%を超えて、新型コロナ以外の病床もひっ迫し、けがや急病で入院することも難しくなっていて、医師は「私たちにとっては絶望的な状況だ」と惨状を訴えています。

NHKは、新型コロナの感染者の対応に当たっている沖縄県豊見城市の「友愛医療センター」が8月15日に撮影した映像の提供を受けました。

映像からは、救急患者の処置を最初に行う部屋が新型コロナの患者で埋まり、新型コロナ以外の患者を別のスペースに運ぶ様子や、医師らが対応を相談する様子が見て取れます。

このなかで、医師は救急隊からの電話に対し「ERがいっぱい。入院は約束できない」と本人に伝えるよう指示していました。

病院によりますと、新型コロナ患者向けに確保している病床は8月16日午後4時半の時点で、
▽軽症と中等症の24床
▽重症の4床の、
すべてが埋まっているということです。

コロナ以外の病床もひっ迫していて、
▽ICU=集中治療室は、10床のうち2床しか空きがなく、
▽HCU=高度治療室も、コロナへの対応などで人手が取られ、9床のうち2床しか運用できていないということです。

友愛医療センター救急科の山内素直部長は「限界を越えて、破滅的な状況で、私たちにとっては絶望的な状況だ。医療スタッフの疲弊も限界を超えてしまっている。現場の救急隊が要請しても、受け入れ先が見つからない事態が日常化してしまっている。本来であれば、救えた命が救えなくなる事態も起こっていると思うし、これからも起こり続ける」と現場の惨状を訴えました。

また、病院によりますと、高齢者施設や自宅などで療養している際に容体が急変し、病院のドクターカーが出動するケースも増えているということです。

映像には、高齢者施設にドクターカーが出動し、医師が施設内で女性の死亡を確認する過程を病院でモニターする様子も写っています。

この女性は、新型コロナに感染し、8月14日に療養が解除になったものの、8月15日に容体が悪化し、亡くなったということです。