「感染者 全数把握でなく
定点観測に変更も選択肢」都医師会長

2022年8月16日

新型コロナの感染者の全数把握について、東京都医師会の尾崎会長は、医療機関などの負担になっているとしたうえで「全数把握ではなく、一部の医療機関での定点の観測に変更することも選択肢のひとつではないか」と述べました。

新型コロナでは、感染症法に基づいて医療機関から保健所にすべての感染者を届け出る「全数把握」が義務づけられていて、医療機関のスタッフなどが「HER-SYS」と呼ばれるシステムに登録する作業を担っています。

一方で、入力作業が現場の負担になっていると指摘されていて、国は重症化リスクの低い患者については入力項目を最小限にする方針を示しています。

こうしたなか、東京都医師会の尾崎治夫会長は、8月16日の定例会見で「感染者数が高い水準にある現状で、全数把握ができているとは、とても思えず、すでに破綻していると思う。今後、一部の医療機関による定点の観測に変更することもひとつではないか」という認識を示しました。

そのうえで「やはり、60歳以上や基礎疾患のある人については、全例をしっかりと診断する。そして、早期治療に結びつけることを、徹底してやるべきだ。そういう形に変えていってもいいのではないか」と指摘しました。

このほか、高齢者や基礎疾患のある人の重症化を防ぐために、東京都医師会と自治体などが連携して、地域ごとに発熱外来を設置することを検討していることを明らかにし「医療機関の実情を聞きつつ、余力のあるところには協力して頂き、主に重症化リスクの高い人をしっかりみていく振り分けが必要だ」と述べました。