感染分析目的サイト立ち上げ
コロナ全数報告見直しで 研究者

2022年9月26日

新型コロナの感染者の全数報告が見直され、9月26日から医療機関に詳しい報告を求める対象が、重症化リスクの高い人に全国一律で限定されます。
今後、重症化リスクが低い感染者の情報が少なくなる中でも、感染が広がるスピードなどの詳しい分析を続けるため、感染した人などに症状や人との接触の状況などについて入力してもらうウェブサイトを、疫学の研究者が立ち上げました。

ウェブサイトは、京都大学の西浦博教授らのグループが、新型コロナに関するデータを詳しく分析する目的で立ち上げました。

これまでは国に感染者全員の居住地や発症日、感染経路などの情報が報告され、厚生労働省の専門家会合で分析結果が示されてきましたが、今後、詳しい報告が重症化リスクの高い人に限定されると、感染が広がるスピードや社会全体の感染の状況など、詳しい分析が難しくなると指摘されています。

このため、グループでは感染した人などに、発熱などの症状が続いた期間や、ワクチンの接種、後遺症の有無などのほか、人との接触状況についても入力してもらい、自治体からの報告と合わせ、引き続き詳しい分析ができるようにしたいとしています。

アメリカでは同様のウェブサイトにおよそ3万5000人が登録し、全国の感染状況をほぼ正確に推定できたということです。

西浦教授は「一人ひとりがデータを入力することで全数のデータに近いものを推定できるようになるので、ぜひ協力してもらいたい」と話しています。