政府分科会 尾身会長
「国は緩和に伴う感染リスクの説明を」

2022年9月8日

基本的対処方針分科会の尾身茂会長は9月8日の会合のあと取材に応じ、感染者の療養期間を短縮する政府の方針について、おおむね了承したと述べました。

そのうえで、「社会経済を再開させたいというのは多くの人々の考えで、方針について了承はしたが、療養期間の短縮など一連の緩和には、それに伴うリスクがあるということを、しっかり一般の人たちに分かってもらうため、国が明確なメッセージを出さないといけないという意見が多くの委員からあった。一般の人たちには国が療養期間を短縮したからといって、期間を過ぎればすっかり安全だという風には思わず、感染させるリスクが残っているということを分かってもらって、ウイルスが排除されるまで高齢者との接触に注意するなど、慎重な行動をとってもらう必要がある」と述べました。

さらに、「これから冬の時期にかけてインフルエンザの流行も予想されている。コロナとの同時流行が起き、感染レベルがかなり高いものになるおそれがあるという想定が複数の委員から示された。感染が減少してきたこの時期に、第8波に備えてしっかりリスク評価を行い、分科会を開いて、とるべき対策について議論をする必要がある」と指摘しました。

また尾身会長は、政府が打ち出す一連の緩和策や対策を示す際に、専門家との間のコミュニケーションが希薄になっていたとしたうえで、「政府も政策を早く示す必要があることは理解するが、専門家からはもう少し議論してから政策を決めてほしいという意見があった。第8波に向けて厚生労働省の専門家会合でリスク評価を行い、そのうえで早期に分科会を開いて、とるべき対策を公に議論することを政府には求めたい」と述べました。