検疫での感染確認激減 専門家
“見つけられていないと認識を”

2022年6月3日

空港や港での検疫で新型コロナウイルスへの感染が確認された人の発表は、6月2日は5人で、水際対策が緩和される前の段階の感染確認が発表された1日の107人から大きく減りました。

検疫での感染確認の発表は、2022年に入って以降は100人を超える日も多く、最近でも

▽5月28日に102人
▽5月29日に130人
▽5月30日に141人
▽5月31日に119人
▽6月1日に107人

となっていました。

感染確認の発表が1ケタになったのは、オミクロン株の感染拡大が始まる前の2021年12月10日以来です。

新型コロナの水際対策では、6月1日から一日あたりの入国者数の上限が2万人に引き上げられ、入国者に対する検疫措置が緩和されました。

入国時の検査が求められるのは
▽インドやベトナムなど、99の国と地域から入国する人たちが有効なワクチン接種の証明書を持たない場合と
▽パキスタン、フィジー、アルバニア、シエラレオネの4か国から入国する人たち
のみで、そのほかの国から入国する人たちは検査が免除されています。

今回、検査が免除される国から入国する人たちでも、検査が行われていた5月の段階では検疫で陽性になることはあり、オミクロン株の「BA.5」や「BA.2.12.1」など、感染力の強さが指摘される変異ウイルスも検出されています。

これについて政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博 教授は「感染した人が急に入ってこなくなったとは考えにくいため、水際で見つけられていないと考えておかなければいけない。単純に見ると、100人前後がすり抜けているかもしれず、海外から新しい変異ウイルスが持ち込まれるリスクが高まるおそれがあり、次の感染の波を作ってしまうリスクはある。海外の人たちにマスクを効果的に使い、3密を避けるなど日本の感染対策を理解して協力してもらうことが重要だ。また、体調がすぐれないか、症状が見られる人は早めに検査を受け、医療機関を受診してもらうことや、どういう変異ウイルスが増えているのか、監視を続けることも大事だ」と指摘しました。