2022年5月24日
サッカーJリーグが6月から声を出しての応援を段階的に導入することを受けて、産業技術総合研究所などが声出し応援による飛まつの飛び方を調べた結果、不織布のマスクを着用すれば飛まつは96%から99%まで抑えられることが分かりました。
Jリーグは新型コロナウイルスの感染拡大後、スタジアムで声を出して応援することを禁止してきましたが、6月以降、段階的に導入することを決めています。
これを受けて、Jリーグの調査に協力している産総研と慶応大学の奥田知明教授はリズムに合わせてチーム名を大声で叫ぶ「コール」をしたり、「チャント」と呼ばれる応援歌を歌ったりした場合、どのくらいの飛まつが拡散するかを初めて調べました。
実験ではマスクを着けない場合と不織布のマスクを着用した場合、それにウレタン製のマスクを使った場合の、3つのパターンでチームの名前を大声でコールし、飛まつの飛び具合を比較しました。
その結果、不織布のマスクを着用するとマスクなしに比べて空気中に飛散する3マイクロメートルから9マイクロメートルの微細な粒子のうち、96%から99%が抑えられたことが分かりました。
ウレタン製のマスクでカットできた粒子はマスクなしと比較して83%から89%だったということです。
奥田教授は「不織布マスクを適切に着ければ、たとえ大声で応援しても飛まつの量がかなり抑えられることが分かった。科学的な事実を積み重ねてよりよい方法を見つけたい」と話していました。
また、Jリーグ新型コロナウイルス対策部の鈴木茜さんは「お互いを守るという意味で声出し応援の際にマスクをきちんと着用することは大事なことだと思った。一日でも早く声出し応援がかなうように安全も合わせて訴えたい」と話していました。