自宅で入院待ちの男性死亡
待機中に亡くなる人相次ぐ 兵庫

2021年4月30日

兵庫県尼崎市は、新型コロナウイルスに感染し自宅で入院を待ちながら治療を続けていた80代の男性が亡くなったと発表しました。

尼崎市によりますと、男性は4月半ばに感染が確認され基礎疾患があったものの当初は発熱だけで症状は軽く自宅で入院を待っていたということです。

ところが4月23日になって症状が急速に悪化し、医師が自宅で酸素投与を行うなどの治療を続けてきましたが、4月29日までに亡くなったということです。

尼崎市では自宅で待機している間に亡くなる患者が相次いでいます。

尼崎市の担当者は「病床がひっ迫していて自宅で入院を待つケースが増えている。医師の往診を増やすなどして対策強化に努めたい」と話しています。

兵庫県明石市でも

また、兵庫県明石市は30日、新型コロナウイルスに感染し宿泊療養先の調整のために自宅で待機していた70代の男性が死亡したと発表しました。

明石市によりますと、男性は4月20日に感染が確認され当初は発熱だけで軽症だったため療養する宿泊先を自宅で待ち、医師が往診し保健師が電話で健康確認を行っていました。

その後、4月26日に男性が入る宿泊施設が決まりましたが、同じ日に容体が急変し家族が救急要請して市内の病院に運ばれたものの、そのまま死亡が確認されたということです。

明石市では自宅で待機する感染者が増える中、医師会と協力して往診の回数を増やしたり、民間病院と連携し市独自で入院病床を確保したりして対策を強化しています。

神戸 医師らが重症患者の自宅回る取り組み 1日3軒が限界

神戸市では、入院先が見つからずに自宅などで待機している人が、30日現在で1808人に上っていて、待機中に死亡するケースも相次いでいます。

こうした中、4月23日から、市立中央市民病院で新型コロナの治療にあたっている医師と看護師それに薬剤師などがチームを作り重症患者の自宅を回る取り組みを始めました。

医師らは、車に防護服や医薬品、それに酸素濃縮器を積み込んだあと、患者の自宅に向かいました。

4月30日は、40代から60代までの重症患者の自宅を回り、患者の症状にあわせて酸素吸入や炎症を抑える薬の投与などの治療を行ったということです。

ただ、往診を終えると防護服はそのつど廃棄し、消毒をした上で次の患者のもとに向かうため往診できるのは1日3軒が限界だということです。

中央市民病院の富井啓介副院長は「現状のままでは自宅で何の治療もできないまま亡くなるケースが増えることが予想される。地域のほかの病院などの協力もお願いし組織的に体制を強化する必要がある」と訴えています。