心臓や肺などの手術件数大幅減
コロナ感染恐れ受診控え影響か

2020年10月28日

新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年2月以降、心筋梗塞や肺がん、食道がんなどの手術件数が2019年と比べて大幅に減ったことが専門の学会の調査でわかりました。学会では患者が感染を恐れて、受診を控えたことなどが影響しているのではないかと分析しています。

この調査は、日本胸部外科学会が心臓や肺、食道の手術を行っている全国の医療機関を対象に実施しました。

それによりますと、2020年2月から8月までの間に手術件数が2019年の同じ時期と比べて「減った」と答えた医療機関はおよそ3分の2にのぼり、5月は平均で手術件数が40%減っていました。

原因について、
「手術の対象になる症例が減ったから」と答えた医療機関が44%、
「手術を先延ばしにしたから」が20%、
「手術対象の症例も減り、延期もした」が36%で、
学会では患者が感染を恐れて受診を控えたことや医療機関が新型ウイルスへの対応で、手術数を制限した影響が出ていると分析しています。

日本胸部外科学会の澤芳樹理事長は「新型ウイルス以外でも命を奪う病気があり、治療の遅れがより大きな病気につながるおそれがある。症状があれば早く病院に行ってほしいし、病院もコロナ禍でも通常の手術ができるように努力をしていきたい」と話しています。