重症者数が増加傾向
大阪は東京の2倍以上
「基準」に違いも

2020年8月18日

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、このところ重症者の数が増加する傾向にあります。最も感染者が多いのは東京都ですが、一方、重症者の数を見ると、8月17日の時点で、大阪府が東京都の2倍以上に上っています。「重症」かどうかについては厚生労働省が基準を定めていますが、東京都と大阪府はそれぞれ異なる基準で重症者の数を取りまとめていることが分かりました。

大阪府 重症者の基準「4つの状態のいずれかに該当」

大阪府内では、8月に入ってから、新型コロナウイルスの重症患者が急増し、8月17日の時点で70人となっています。

大阪府によりますと、新型コロナウイルスに感染し、治療を受けている患者を「重症」と判断する基準は、人工呼吸器の装着や気管挿管、それに人工心肺装置「ECMO」の装着やICU=集中治療室での治療の4つのうち、いずれかに該当する場合としています。

この基準にあてはまる大阪府の重症患者は、
▽1か月前の7月18日は4人、重症患者を受け入れる病床の使用率は2.1%でしたが、
▽8月1日の時点では20人で10.6%、
▽8月17日の時点では70人で37.2%と、8月に入って大幅に増えています。

特に目立つのが高齢者で、8月17日までの1週間に発表された重症患者43人を年代別に見ると、60代がおよそ2割、70代がおよそ4割、80代がおよそ3割と60代以上が9割を占めています。

東京都 重症者の基準 「集中治療室」カウントしない場合も

東京都内では、新型コロナウイルスに感染した重症の患者が8月18日の時点で31人となっています。

東京都は新型コロナウイルスに感染した人のうち、人工呼吸器を使っている人と、「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置による治療を受けている人を重症患者として集計しています。

一方で、人工呼吸器と「ECMO」を使わず集中治療室に入っている人は重症患者にカウントしていないということです。

これについて、都は「感染対策や病床の関係で重症でなくても集中治療室に入っている人がいると現場から聞いているので、専門家からもアドバイスをもらって現場の実態をより反映させる形でカウントしている」と説明しています。

国の「重症者」の基準は

厚生労働省は「重症者」の基準を定め、ことし4月に都道府県などに通知しています。

具体的には、▽集中治療室などに入っているか、▽人工呼吸器や、▽「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置が必要な状態か、いずれかに当てはまる場合は重症者として報告するよう求めています。

厚生労働省の担当者は「重症者の基準は示しているとおりなので、都道府県などは基準にのっとって報告してほしい」と話しています。