オミクロン株拡大 かぜ? コロナ?
そんなとき、どうすれば…?

2022年1月7日

新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が拡大しています。ただでさえ冬場はかぜをひきやすい季節。かぜの症状がある場合は新型コロナかなと不安になる人も多いのではないでしょうか。

軽いかぜのような症状がある場合、どうすればいいのでしょうか?

新型コロナウイルス よくある症状

新型コロナウイルスに感染した場合の症状は人によってさまざまです。WHO=世界保健機関が新型コロナウイルスのよくある症状として以下を挙げています。
▽発熱
▽せき
▽疲労感
▽味覚や嗅覚の喪失

このほか次のような症状が出る人もいるということです。
▽のどの痛み
▽頭痛
▽下痢
▽皮膚の発疹や手足の指の変色
▽目の充血や炎症

さらにアメリカのCDC=疾病対策センターでは
▽息切れや呼吸困難
▽筋肉痛や体の痛み
▽鼻づまり・鼻水
▽吐き気・おう吐
▽寒気なども挙げています。

オミクロン株 “炎症場所 鼻・のどにとどまるケース多い”

これらの症状はオミクロン株でも変わらないのでしょうか?
WHOの分析担当者は1月4日の会見で、オミクロン株の症状について「肺まで達して深刻な肺炎を引き起こすほかの複数の変異ウイルスと異なり、上気道の炎症を引き起こしやすいとする研究結果が増えている」として、炎症の場所が鼻やのどにとどまるケースが多いという見解を示しました。ウイルスの性質が異なると症状の出方がこれまでとは違う可能性があります。

オミクロン株 感染者の症状とは…

1月6日に開かれた厚生労働省の専門家会合では、沖縄県でことし1月1日までに診断されたオミクロン株の感染者50人の症状が報告されました。

それによりますと
▽37度5分以上発熱した人は全体の72%
▽せきが58%
▽全身の倦怠感が50%
▽のどの痛みが44%
▽鼻水や鼻づまりが36%
▽頭痛が32%
▽関節痛が24%
▽おう吐・吐き気が8%
▽呼吸困難が6%
▽嗅覚・味覚障害が2%となっています。

今回の報告では
▽無症状だった人は4%で残りの人たちは何らかの症状があったということです。

「かぜに近い症状が多い」

国立感染症研究所 脇田隆字所長(専門家会合 座長)
「新型コロナウイルスでは消化器症状や嗅覚・味覚障害がかなりあると言われているが、沖縄からの報告をみるとオミクロン株ではこうした症状は比較的少なくかぜに近い症状が多い」

“無症状” 無料で検査可能

政府は感染対策が特に必要な地域では無症状でも無料で検査を受けられるように自治体に通知しています。またこれとは別に、全国の自治体でワクチンを受けられない人たちを対象に無料の検査も行われています。ただこうした検査はいずれも無症状の人を対象にしています。

“軽い症状” 医療機関受診し検査を

では軽い症状がある場合はどうすればいいのでしょうか?

厚生労働省の専門家会合では軽度の発熱やけん怠感、体調不良などの場合でも積極的に医療機関を受診し検査を受けるよう呼びかけています。

また国や学会などが作成した「新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針」の委員会のメンバーで亀田総合病院の大塚喜人臨床検査部長によりますと
▽のどの痛み
▽鼻水
▽発熱
▽頭痛
▽倦怠感など
かぜのような症状を自覚した場合には、やはり医療機関を受診して検査を受けることが前提だということです。

抗原検査キットの活用も有効

ただ夜間に急に症状が出た場合や医療機関を受診するべきかどうか迷った場合などには、薬局で販売されている抗原検査キットの活用も有効だということです。抗原検査キットは無症状の場合は精度が落ちるとされ推奨されていません。

ただ症状がある場合、発症から9日以内であれば抗原検査キットも使用できるということです。この際「体外診断用医薬品」と表示された抗原検査キットを使う必要があるということで、いざという時に備えて事前に購入しておくことも検討してほしいということです。なお抗原検査キットでは「偽陰性」が出る可能性もあり、陰性となっても症状がある場合は医療機関の受診などが必要とされています。

大塚臨床検査部長は「国が承認した抗原検査キットは1回分につき1000円台で購入でき自己管理には有効だ。ただ抗原検査キットでは感染していてもまだウイルスが増えていなくて陰性と出てしまうことがあるので、症状が続くなど不安な場合は医療機関を受診してほしい」と話しています。