新型コロナ感染者
“さらに増加の可能性” 専門家

2022年1月4日

年末年始にかけて新型コロナウイルスの感染者の増加傾向が続き、東京都では、1月4日、新たな感染確認の発表が150人を超え、沖縄県では200人を超えました。

感染力が強いとされるオミクロン株の感染確認も各地で報告され、専門家は今週から来週にかけて、さらに感染者数が増加する可能性があるとして基本的な感染対策の徹底を呼びかけています。

全国的に増加

この年末年始、新型コロナウイルスの感染者数が全国的に増加しました。

▽東京都では、1月3日発表された感染者数が103人と100人を超えたのに続いて、1月4日は151人と2021年10月3日以来、およそ3か月ぶりに150人を超えました。

▽沖縄県は、1月3日が130人だったのに続いて、1月4日は225人とさらに増え、2021年9月16日以来、およそ3か月半ぶりに200人を超えました。

1月3日までの1週間の新規感染者数は、
▽東京都では前の週と比べて1.96倍、
▽大阪府では2.59倍、
▽広島県で11.62倍、
▽沖縄県で2.95倍、
それに全国でも2.00倍と増加傾向が続いています。

現在の感染状況を人口10万あたりの直近1週間の感染者数でみると、
▽沖縄県が最も多く26.36人、
▽山口県が9.72人、
▽群馬県が6.13人、
▽京都府が5.73人、
▽広島県が5.39人、
▽大阪府が5.09人、
▽東京都が3.81人、
などとなっています。

また、感染力が強いとされるオミクロン株の感染確認や、市中感染が疑われるケースも各地で相次いで報告され、感染拡大が急速に進むことが懸念されています。

“非常に注意しなければいけない状態”

現在の感染状況について、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授に話を聞きました。

舘田教授
「年末年始は人の動きが激しく、飲酒の機会も増え、感染者数が増えることが予想されていたが、1月3日の時点で東京で3か月ぶりに100人を超える感染者数となったことで、非常に注意しなければいけない状態が見えてきた。接種から時間がたって、ワクチンの効果が弱くなっていることに加えてオミクロン株の広がりもあり、感染が下がる要因がなかなか見つからない。今週から来週にかけて、さらに感染者数の増加が見えてくる可能性がある」と話しています。

オミクロン株については、次のように指摘しました。

舘田教授
「東京都の1月3日の発表では、4分の1がオミクロン株で、各地でも市中感染が起きているとから、2月には国内のウイルスがすべてオミクロン株に置き換わる可能性もある。オミクロン株はデルタ株に比べ重症化する人が少ないという指摘もあるが、感染力は3倍から4倍高いという報告がある。感染者が爆発的に増えると一定の割合で入院する人や重症化する人が出てくるので、医療のひっ迫につながることに注意しなければならない」

そして、求められる対策について、次のように呼びかけました。

舘田教授
「オミクロン株に対しても、変わらず基本的な感染対策を徹底することに尽きる。密を避けるとともに、マスクを適切に使うこと、冬であっても換気を心がけることが重要だ。飲食の場での感染の広がりも注意すべきで、大人数や長時間での会食は避けるべきだ」

オミクロン株の国内発生状況

国内でオミクロン株の感染者が初めて確認されたのは2021年11月30日。アフリカ名部のナミビアから入国した30代の外交官でした。
2021年12月22日には直近の海外渡航歴がない大阪府の家族3人がオミクロン株に感染したことが確認され、それ以降、各地で、“市中感染”の可能性がある感染者が報告されています。
厚生労働省によりますと、オミクロン株の国内発生状況は、1月2日午後9時時点で750人。このうち直近の海外渡航歴がなく感染経路が明らかになっていない感染者などは223人となっています。