【詳しく】新型コロナ
年末年始の相談窓口 受診先 検査機関は?

2021年12月28日

新型コロナの変異ウイルス、オミクロン株への市中感染とみられる感染者が各地で確認され、感染対策が欠かせないまま再び年末年始を迎えることになりました。

年末年始に、もし自分や周囲の人の感染を疑うような状況に直面したらどうすればいいのか…。そんな時、ぜひ参考にしてほしい情報です。

■感染が疑われる場合は…?

まず新型コロナウイルスへの感染が疑われるような症状がある場合の対応です。
▽地域の「かかりつけ医」
▽「発熱外来のある医療機関」
▽「自治体が設けている相談電話」
もしくは
▽「保健所」に
連絡することになります。

例えば東京都は発熱などの症状がある人は「発熱相談センター」(03-5320-4592)で年末年始も24時間、連絡を受け付けています。

●各都道府県が公表している受診・相談センターの連絡先は、以下の一覧を参照してください(厚生労働省HP)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
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■どこで受診できるのか…?

ただ年末年始は感染が疑われる症状があっても、どの医療機関で受診できるのか疑問に思う方もいらっしゃると思います。

●東京都は年末年始に診療を行う医療機関についてHPで公表しています。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/soudan/hatsunetsugairai.html
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このほかの自治体も、年末年始期間の診療・休診の情報についてHPなどで確認できるようにしています。

■感染の不安があれば…

▽「感染していないか不安だ…」
▽「知らぬ間に周囲に広げてしまうことはないだろうか…」
年末年始に帰省や旅行などを予定している方もいらっしゃると思いますが、もしこんな不安を抱えていたら次のような方法で調べることもできます。

1. 無料検査

オミクロン株の市中感染が確認されたことなどを受けて、症状がない場合でも感染に不安を感じる人は無料で検査を受けられる取り組みが各地で始まっています。

<東京>約180か所で実施も一部混雑

このうち東京都は民間検査機関やドラッグストアなど都内のおよそ180か所で検査を行っています。都内に住む住民が対象ですが、健康上の理由や12歳未満でワクチンの接種を受けられない人については都民でなくても受けられます。

PCR検査か抗原検査を選ぶことができ
▽PCR検査であれば早ければ当日に
▽抗原検査であれば10分程度で
結果が出るということです。

●実施場所は以下の東京都のHPから確認できます(12/28時点)。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/kensa/kensasuishin.files/PCRkensabasyo.pdf
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ただこの無料検査について、都は基本的には事前の予約は必要ないとして取り組みを始めましたが、一部の検査機関には多くの人が訪れて列を作るなど混雑しています。このため一部の検査機関はインターネットでの予約制に切り替えているほか、ドラッグストアの中には検査キットが品切れになるケースもあるということです。

都は検査に行く前に予約が必要かどうかなど、それぞれの検査機関のホームページで確認するよう呼びかけています。

<大阪>100か所以上で実施

大阪府も症状はないものの感染への不安を感じる府民を対象に、府内の薬局や民間の検査機関など100か所以上で無料の検査を行っています。

▽数日後に結果がわかるPCR検査と
▽20分ほどでわかる簡易的な抗原検査が行われていて
大阪府はより利用しやすい環境を整えるため、無料の検査場を450か所程度まで増やしたいとしています。

●実施場所は以下の大阪府のHPから確認できます(12/28時点)。
https://pref-osaka.viewer.kintoneapp.com/public/0ea753fc65f8f3d36bd2569b44734e71#/
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無料の検査はこのほかにも行っているところがあります。お住いの自治体のHPなどで確認してみてください。

2. 自費検査

自費でPCR検査などを受けることができる検査機関についてです。
●以下から確認できます(厚生労働省HP)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-jihikensa_00001.html
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3. 抗原検査キット

自宅などでみずから検査できるものもあります。それが「抗原検査キット」です。

薬局で販売が始まっていて15分から30分程度で結果がわかるのが特徴です。具合が悪くなった時に自宅などで検査を行って、陽性の結果が出たら医療機関を受診するという使い方が想定されています。

一般的な検査の手順としては
▽鼻の穴から綿棒を2センチ程度入れ
▽鼻の内側に沿わせて5回ほど回転させたあと
▽綿棒をチューブに浸して検体抽出液を加えることなどで
結果がわかるということです。

一方、ウイルス量が少ない場合は感染していても陽性とならない場合があるため無症状の人が用いることは推奨されていないほか、PCR検査と比べて感度が低く感染しているにもかかわらず陰性と判定される「偽陰性」のリスクもあることから、症状がある場合は医療機関の受診が必要です。

また厚生労働省が承認した抗原検査キットは「医療用」とされるもので、消費者庁は製品を選ぶ際にはパッケージを確認して「体外診断用医薬品」と表示された製品を選び、必ず薬剤師の確認を受けてから購入するよう呼びかけています。また感染が疑われる場合には医療機関を必ず受診することも求めています。

■専門家のメッセージ

最後に年末年始はどのようなことに注意すればよいのか、改めて専門家からのメッセージです。

「年末年始 どう過ごすかが今後を左右する」

(政府分科会・尾身茂会長)
「現時点では増加傾向とは言え感染者の水準もかなり落ち着いている。帰省も何もかも取りやめてというのは、多くの人の共感や理解を得られないメッセージになってしまう。ただまだ帰省や旅行をするか迷っている方がいれば、オミクロン株の状況を見て少し考えてくださいと呼びかけたい。オミクロン株の感染力は今までとは異なり、これから接触機会が増えて感染も増え、それが帰省によって各地にも広がるリスクがあるということは専門家として伝える責務がある。これからの期間をどう過ごしてもらうかどうかが、今後の感染拡大がどうなるかを左右すると考えている」

「無料検査 陰性なら安心材料だが帰省先でも対策を」

(国際医療福祉大学・松本哲哉教授)
「市中感染につながっている感染者が何人いるかはわからないが、多くの人が集まる場所ではある程度感染した人がいる可能性がある。極端に行動を変えることはしなくてもよいが、今までと比べると年末年始は自分の予定をどうするか慎重に考えなければならないと思う」

-ふるさとなどへの帰省
「オミクロン株によって感染が再拡大することが予想される中だが、感染者が一定に抑えられている今は行くことをやめてくださいというほどの感染状況ではない。ただたくさんの人に会ったり会食をしたりすることはそれが感染の場になりかねないので、帰省先に高齢者がいる場合などは特に慎重な判断が必要だ」

-帰省に当たって無料のPCR検査
「検査で陰性であればその時点で感染させるリスクはほとんどないと言えるので、積極的に受けてもらえればそれが安心材料になる。ただ2、3日後までの感染を否定できる検査ではないので帰省先で感染対策を心がけることが大事だ」