“搬送困難” 過去最多に
半数以上が新型コロナ感染の疑い

2021年8月17日

救急患者を受け入れる医療機関がすぐに決まらない「搬送困難」なケースは、この1週間で3361件と、調査を始めてから最も多くなったことがわかりました。

新型コロナウイルスの感染が疑われるケースが半数以上を占めていて、総務省消防庁は「医療機関の負荷が高まり、病床がひっ迫している状況が伺える。より一層新型コロナウイルスの感染対策を心がけてほしい」としています。

総務省消防庁は、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など、全国の52の消防機関の報告をもとに毎週、取りまとめています。

8月15日までの1週間では3361件と、前の週から464件増え、6週連続の増加となりました。

比較調査を始めた2020年4月以降では、これまで最も多かった、ことし1月中旬の3317件を抜いて、過去最多となりました。

地域別にみると、
▽東京消防庁管内が1837件(前週比+305件)
▽横浜市消防局が354件(前週比+87件)
▽千葉市消防局が157件(前週比+42件)
▽川崎市消防局が98件(+14件)と
首都圏で増加が目立つほか、
▽札幌市消防局が98件(-23件)
▽大阪市消防局が240件(-39件)
▽福岡市消防局が55件(+10件)などとなっています。

このうち、体温が37度以上で呼吸困難の症状があるなど、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは6週連続で増加となり、8月15日までの1週間では1679件と、全体の3361件の半数以上を占めています。

総務省消防庁は「自宅で療養中の患者からの出動要請が首都圏などで増え続けている。医療機関の負荷が高まり、病床がひっ迫している状況も伺える。より一層新型コロナウイルスの感染対策を心がけてほしい」としています。