新型コロナ対応のベッド数
と入院患者数データ

2020年4月21日更新

新型コロナウイルスに対応する病床数と入院患者数などについて、NHKは全国の都道府県に取材しました。その結果、入院患者の数が、準備している病床数の8割を超えているところが、東京都、石川県、大阪府、兵庫県、滋賀県、沖縄県の6つの都府県に上ることがわかりました。

入院患者数が8割を超えている都道府県は、先週からは3府県減っています。軽症の患者に宿泊施設や自宅で療養してもらう対応や、病床を増やす対応を各地で行ったことによるものですが、入院患者数は3割以上増えており、「医療崩壊」の危機が迫る中、専門家は決して楽観できないと指摘しています。

新型コロナ対応のベッド数と入院患者数

NHK調べ 4月20日時点の最新データ

都道府県 新型コロナ対応
ベッド数
入院中の患者数
(入院必要な人含む)
ベッドに対する割合
北海道 400 237 59%
青森県 38 14 37%
岩手県 184 0 0%
宮城県 388 44 11%
秋田県 93 11 12%
山形県 150 48 32%
福島県 113 47 42%
茨城県 200 118 59%
栃木県 130 36 28%
群馬県 174 99 57%
埼玉県 375 181 48%
千葉県 324 224 69%
東京都 2000 2546 ※2 127%
神奈川県 1000 223 22%
新潟県 234 25 11%
富山県 189 84 44%
石川県 170 139 ※1 82%
福井県 110 75 68%
山梨県 80 35 44%
長野県 227 47 21%
岐阜県 458 112 24%
静岡県 88 44 50%
愛知県 300 205 68%
三重県 124 24 19%
滋賀県 51 50 98%
京都府 186 126 ※1 68%
大阪府 700 884 ※1 126%
兵庫県 296 256 86%
奈良県 64 45 70%
和歌山県 124 24 19%
鳥取県 293 3 1%
島根県 200 16 8%
岡山県 117 15 13%
広島県 200 83 42%
山口県 40 15 38%
徳島県 130 0 0%
香川県 34 25 74%
愛媛県 70 28 40%
高知県 42 24 57%
福岡県 300 223 74%
佐賀県 50 15 30%
長崎県 102 13 13%
熊本県 312 32 10%
大分県 200 29 15%
宮崎県 56 13 23%
鹿児島県 143 7 5%
沖縄県 94 94 100%

※1 入院調整含む

※2 自宅療養者含む

NHKでは全国の放送局を通じて、4月20日時点の新型コロナウイルスに対応する病床や入院患者の数などについて都道府県に取材しました。

それによりますと、新型コロナウイルスの患者が入院するために確保している病床の数は全国合わせて1万1000床余りで、先週行った調査と比べておよそ1500床増えました。

また、現在の入院患者は、少なくとも6600人余りにのぼり、先週と比べて1600人余り、3割ほど増えています。

都道府県別に、確保できている病床数に対して入院患者の数が8割を超えているのは6つの都府県で、このうちの東京都と石川県、大阪府、兵庫県は、政府が特に重点的に感染拡大防止の取り組みを進める必要があるとしている「特定警戒都道府県」ですが、このほかの地域では滋賀県と沖縄県が含まれています。

一方で、前回、先週行った調査で8割を超えていた、京都府や高知県、福岡県は、軽症の患者に宿泊施設や自宅などで療養してもらう対応をとったほか、山梨県は追加の病床を確保していて、病床がひっ迫している割合が下がりました。

そして、宿泊施設や自宅で療養や待機をしている人は、病床が確保できていない人たちも含めて、17都道府県で1700人を超え、ほぼ倍増しています。

このうち、埼玉県、千葉県、神奈川県の東京近郊ではそれぞれ300人を超え、東京都や福岡県でもそれぞれ100人を超えています。

さらに、医療体制について懸念していることを聞いたところ、感染が都市部だけでなく地方にも広がってきていることを受けて、もともと医師不足の地域での医療提供や検査を行う体制に不安があるといった声や、新型コロナウイルスの診療と通常の医療の両立が課題だといった声が出てきています。

また、自宅などで療養する患者が重症化した場合の対応や、引き続き医療用のマスクやガウンなどが不足する中、医療従事者の感染防止について多くのところが課題に挙げています。

これについて感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「重症度に応じた療養の体制が整いつつあるのではないか」と評価した一方、「ベッドに空きができても、院内感染が起きると、その医療機関のベッドが利用できなくなる。患者は増えていて、医療現場は引き続き難しい対応を迫られており、楽観はできない」と指摘しています。

参考:4月13日時点のデータ(NHK調べ)

都道府県 新型コロナ対応
ベッド数
入院中の患者数
(入院必要な人含む)
ベッドに対する割合
北海道 300 95 32%
青森県 38 19 50%
岩手県 184 0 0%
宮城県 388 34 9%
秋田県 93 10 11%
山形県 150 39 26%
福島県 111 35 32%
茨城県 200 94 47%
栃木県 130 28 22%
群馬県 200 60 30%
埼玉県 225 141 63%
千葉県 308 162 53%
東京都 2000 1959 ※3 97%
神奈川県 400 130 33%
新潟県 234 14 6%
富山県 155 40 26%
石川県 110 85 77%
福井県 100 68 68%
山梨県 28 ※1 29 104%
長野県 227 34 15%
岐阜県 458 105 23%
静岡県 88 37 42%
愛知県 300 185 62%
三重県 24 6 25%
滋賀県 40 33 83%
京都府 140 145 ※2 104%
大阪府 540 647 ※2 120%
兵庫県 259 266 103%
奈良県 64 32 50%
和歌山県 45 21 47%
鳥取県 265 1 0%
島根県 200 7 4%
岡山県 120 14 12%
広島県 119 32 27%
山口県 40 18 45%
徳島県 130 0 0%
香川県 24 7 29%
愛媛県 70 23 33%
高知県 42 40 95%
福岡県 250 222 89%
佐賀県 24 12 50%
長崎県 102 12 12%
熊本県 312 21 7%
大分県 118 27 23%
宮崎県 56 14 25%
鹿児島県 143 4 3%
沖縄県 60 58 97%

※1 他にも確保の病床あり(数は非公表)

※2 入院調整含む

※3 自宅療養者含む