インフルエンザワクチン接種
高齢者など優先 各地で開始

2020年10月1日

インフルエンザのワクチンの接種が10月1日から全国で始まり、京都府内の医療機関でも、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備えて重症化しやすい高齢者などを優先して接種が進められています。

インフルエンザの流行を前に厚生労働省は、10月1日から定期接種の対象になっている65歳以上の高齢者など重症化のリスクの高い人を優先してワクチンを接種し、それ以外の人は10月26日まで接種を待つよう呼びかけています。

京都府内の医療機関でも10月1日からワクチンの接種が始まり、このうち京都市中京区の診療所には早速高齢者などが訪れ、接種を受けていました。

この診療所では10月1日の時点で、前のシーズンに接種を受けた人数の8割ほどの予約がすでに入っているということで、健康な若い人などには接種の時期を遅らせるようお願いしているということです。

池田内科御池クリニックの池田文彦院長は「例年と比べてワクチンを接種しようという気持ちになるのが早いのかなと感じます。高齢者などが優先ですが、京都は接客業の人もたくさんいるので、臨機応変に対応したい。ワクチンは国が一定量は確保していると思うので、急がず冷静に受診してほしいです」と話していました。

小児科医院でも接種始まる

インフルエンザワクチンについて、厚生労働省は重症化するリスクの高い高齢者の優先接種を呼びかけていますが、日本小児科医会では乳幼児もリスクが高いとして、子どもの接種時期を一律に遅らせることは控えるべきだとしています。

こうした中、ワクチンが足りなくなることを恐れて、子どもへの接種を希望する親も多く大阪 中央区の藤井こどもクリニックでは、10月1日からワクチンの接種を始めました。

このクリニックでは、例年の2倍のペースで予約が増え、10月はすでにおよそ750人分の予約が入っているということで、密集をさけるため、1時間あたりの人数を減らしたうえで日曜日も病院を開けることにしています。

3歳と5歳のきょうだいを連れて予防接種に訪れた母親は「遅れるとワクチンが足りなくなるのではないかと心配でしたが、接種できて安心してます。インフルエンザが子どもの間で流行すると、学級閉鎖などにもつながってしまうので、親としては早めに受けさせたいという思いです」と話していました。

クリニックの藤井雅世院長は「子どもはワクチンを2回接種する場合があり、時期がずれると予防が遅れることになる。高齢者はもちろんだが、子どもも脳炎にかかる可能性があり、ハイリスクだ。ことしは感染症がどんな動きをするのか分からないので、冬場になる前に早めに対応していきたい」と話していました。