新型コロナ感染者数
2021年最も少ない水準に 全国で減少続く

2021年10月8日

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、緊急事態宣言が解除されたあとも、ほぼすべての都道府県で減少が続き、全国の感染者数は2021年に入って最も少ない水準にまで下がってきています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について、前の週と比較してまとめました。

全国 6週連続で減少

全国では、2021年8月末から減少に転じ、
▽9月9日は前の週に比べて0.64倍
▽9月16日は0.55倍
▽9月23日は0.50倍
▽9月30日は0.55倍
▽10月7日まででは0.55倍と6週連続で減少しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1036人と、3月上旬と同じ程度で、2021年に入って最も少ない水準にまで下がってきています。

また、緊急事態宣言の解除後も9月末まで宣言が出されていた19の都道府県を含めた42の都道府県で減少しています。

1都3県

東京都は
▽9月16日までの1週間は前の週の0.55倍
▽9月23日は0.54倍
▽9月30日は0.47倍
▽10月7日まででは0.60倍と7週連続で減少しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ154人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は7.76人で、2021年に入って最も少ない水準となっています。

神奈川県は
▽9月23日は前の週の0.52倍
▽9月30日は0.51倍
▽10月7日まででは0.52倍と6週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ86人となっています。

埼玉県は
▽9月23日は前の週の0.44倍
▽9月30日は0.59倍
▽10月7日まででは0.53倍と7週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ69人となっています。

千葉県は
▽9月23日は前の週の0.48倍
▽9月30日は0.56倍
▽10月7日まででは0.56倍と6週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ55人となっています。

沖縄県・北海道

沖縄県は
▽9月16日は前の週の0.64倍
▽9月23日は0.52倍
▽9月30日は0.53倍
▽10月7日まででは0.43倍と7週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ29人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は14.18人で、全国で最も多い状態ですが、感染拡大の「第5波」のピークだった8月中旬の20分の1以下に減少しています。

北海道は
▽9月23日は前の週の0.61倍
▽9月30日は0.65倍
▽10月7日まででは0.41倍と6週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ17人となっています。

関西

大阪府は
▽9月23日は前の週の0.49倍
▽9月30日は0.61倍
▽10月7日まででは0.57倍と5週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数は172人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は13.70人と、全国で2番目に多くなっています。

京都府は
▽9月23日は前の週の0.49倍
▽9月30日は0.58倍
▽10月7日まででは0.57倍と6週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ26人となっています。

兵庫県は
▽9月23日は前の週の0.54倍
▽9月30日0.58倍
▽10月7日まででは0.57倍と6週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ70人となっています。

中部

愛知県は
▽9月23日は前の週の0.42倍
▽9月30日は0.48倍
▽10月7日まででは0.45倍と5週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ68人となっています。

岐阜県は
▽9月23日は前の週の0.58倍
▽9月30日は0.66倍
▽10月7日まででは0.66倍と6週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ21人となっています。

三重県は
▽9月23日は前の週の0.42倍
▽9月30日は0.52倍
▽10月7日まででは0.61倍と6週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ9人となっています。

専門家「減少傾向の維持を」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、感染者数の減少が続いていることについて「特にワクチンの接種率が高まってきていることと、一人ひとり、基本的な感染対策が自然に行えるようになってきていたことが大きいのではないかと思う。緊急事態宣言が解除されたら、すぐにリバウンドするのではないかと心配されていたが、全国レベルで減少傾向が見られ、東京でも1日の感染者数が200人を切るような状況になっている。非常にいい状態で減少傾向が続いているので、どこまで維持できるかが大事だ」と話しています。

そのうえで舘田教授は「たとえば東京で1日の感染者数が100人ぐらいにまで下がってくると、保健所は感染が残っている場所を特定できるようになり、積極的に検査を行う、ワクチン接種を進めるという対策が取れるようになってくる。次の『第6波』を作らないためにも、できるだけ小さくして乗り越えるためにも、今の時期の行動が大事になってくる」と話しています。