菅首相 “宣言”“重点措置”対象地域拡大
あす専門家諮問へ

2021年8月24日

新型コロナウイルス対策をめぐり菅総理大臣は8月23日に続いて、関係閣僚と会談したあと、記者団に対し、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の対象地域の拡大について、8月25日、専門家に諮る考えを示しました。

また、加藤官房長官はこれまでに8道県から、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の対象とするよう求める要請があったことを明らかにしました。

政府は、8月20日から、緊急事態宣言の対象地域を13都府県に、まん延防止等重点措置の適用地域を16道県にそれぞれ拡大し、9月12日までを期限に、新型コロナウイルス対策を強化していますが、各地で感染状況が悪化しています。

こうした中、政府は、合わせて29の都道府県に出されている、宣言や重点措置の対象地域をさらに拡大する必要があるか検討しており、菅総理大臣は、8月23日に続いて8月24日夕方、総理大臣官邸で、西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣ら関係閣僚とおよそ1時間、会談しました。

このあと菅総理大臣は、記者団に対し、宣言や重点措置の対象地域の拡大について、8月25日、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に諮る考えを示しました。

そのうえで「国民の命を守るために、病床や臨時の医療施設の確保、自宅療養中の方々に連絡がつくようにする体制、重症化を防ぐための中和抗体薬の使用の拡大は、極めて大事で、引き続き、全力で取り組んでいく。『デルタ株』の強い感染力の中で感染を抑えることができるように徹底して対応していきたい」と述べました。

一方、記者団が「宣言や重点措置の期間であっても衆議院の解散は可能なのか」と質問したのに対し、菅総理大臣は「法律上は、できるだろうというふうに思う。ただ、私自身、新型コロナ対策が最優先だということを今まで表明してきた」と述べました。

8道県 宣言や重点措置適用を要請

加藤官房長官は、8月24日の記者会見で「まん延防止等重点措置を実施している16道県のうち、8月19日に北海道から、20日に愛知県から、21日に三重県、岐阜県から、きのう広島県から、きょう滋賀県から、政府に対し、緊急事態措置の適用について検討するよう要請がなされた。また、8月18日に宮崎県から、きのう岩手県から、まん延防止等重点措置の適用の要請がされている」と述べました。

広島 湯崎知事「医療提供体制 危機的な状況」

広島県の湯崎知事は8月24日の記者会見で「お盆休みでの県外往来などの人流を抑制することができなかった。このことに起因すると考えられる感染の急拡大が先週より起こっていて、本県の医療提供体制が今後、危機的な状況になることが懸念される」と述べました。

そのうえで、「さらなる人流の抑制を実施し、感染拡大を防止する必要がある。そのための法的な実行力を含めたさらなる強い対策を早急に実施する必要がある」と述べました。

滋賀 三日月知事「重点措置 効果見えない」

滋賀県の三日月知事は、8月24日県庁で開いた会見で「『まん延防止等重点措置』が滋賀県に適用されて2週間以上たつがいまだ効果が見えない。重点措置の対象地域を越えて全県的な対応が必要だ」と述べました。

さらに「県内ではすでに1000人を超える自宅療養者が出ており、これ以上感染が拡大し医療提供体制が崩壊しないようより強い措置が必要だ」と述べ、今後、宣言の対象地域に含まれれば県内の商業施設などに対して休業の要請なども含めて対応を検討する方針です。