“都道府県またぐ移動 中止か延期呼びかけを”
知事会 国に提言

2021年8月1日

緊急事態宣言の対象地域が8月2日から拡大されるのを前に、全国知事会は会合を開き、お盆の帰省も含め夏休み中の都道府県をまたぐ旅行や、移動の原則中止か延期を強く呼びかけることなどを国に求めることになりました。

会合はオンラインで開かれ、全国的な感染の急拡大を懸念する声が相次ぎました。

東京都の小池知事は「感染拡大を食い止めるために一刻の猶予もない厳しい状況で、これまで以上に人流抑制とワクチン接種の守りと攻めを同時並行で進めないといけない。希望する人にワクチンを行き渡らせるのは国家的使命で、国は速やかに行動に移すべきだ」と述べました。

宣言の対象地域に追加される大阪府の吉村知事は「デルタ株の感染拡大は危機的状況で、自宅療養者はさらに増えるので、医療のひっ迫と患者の重症化を防ぐ観点から、国は往診の態勢を構築することが不可欠だ」と指摘しました。

また、まん延防止等重点措置が適用される北海道の鈴木知事は「危機感が国民に伝わらないことが課題だ。ワクチンの一般接種が本格化していない中で、国民の協力が得られなければ過去最大の危機になりえるという強力なメッセージを発信すべきだ」と国に求めました。

このあと会合では、感染爆発と言っても過言ではない状況を国と地方が一体で抑え込むことが急務だとして、国に対する緊急提言をまとめました。

提言では、お盆の帰省も含め夏休み中の都道府県をまたぐ旅行や移動は原則中止・延期するよう強く呼びかけることや、ワクチン接種の有効性などが若者や中年層に確実に伝わるよう取り組みを抜本的に強化することなどを求めています。

小池都知事「ワクチン行き渡らせることは国家的使命」

東京都の小池知事は全国知事会の会合で、感染拡大を食い止めるには一刻の猶予もないという危機感を示したうえで、「希望するすべての人にワクチンを行き渡らせることは国家的使命だ」と述べ、国に対し、できるだけ早く十分な量のワクチンを確保するよう求めました。

この中で、小池知事は都内の感染状況について「感染拡大を食い止めるためには一刻の猶予もない厳しい状況だ。これまで以上に人流の抑制とワクチン接種の『守り』と『攻め』を同時並行で進めていかなければならない」と述べました。

ワクチン接種について小池知事は「東京の場合、65歳以上の高齢者の接種は、1回目をおよそ8割が、2回目をおよそ7割が終えていて、この結果が如実に感染状況にもあらわれている。高齢者の感染割合は3%以下にまで減少している」と説明しました。

そのうえで「希望するすべての人にワクチンを行き渡らせることはまさしく国家的使命だ」と述べ、国に対し、できるだけ早く十分な量のワクチンを確保するよう求めました。