2020年の消費支出
前年比5.3%減
新型コロナ 外出自粛で

2021年2月5日

2020年の1年間に2人以上の世帯が消費に使った金額は前の年より5.3%減り、統計が比較できる2001年以降で最大の落ち込みとなりました。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、旅行や外食などの消費が大きく落ち込みました。

総務省の家計調査によりますと、2020年に2人以上の世帯が消費に使った金額は、1世帯当たりの月間の平均で27万7926円でした。

前の年より5.3%減り、統計が比較できる2001年以降で最大の落ち込みになりました。

新型コロナの感染拡大による外出自粛で、国内外のパック旅行や交通費、外出先での食事や飲酒代、それに口紅やファンデーションなどの支出が大きく落ち込みました。

一方で、自宅で過ごす時間が増えたことで、加湿器や空気清浄機、それに炊事用の家電製品、電気代や水道代などの支出は増えました。

また、一律10万円の定額給付金の支給があったため、2020年の2人以上の世帯の収入は、1か月間の平均で60万9535円となり、前の年より4.0%増え、2001年以降、最大の上昇率になりました。

総務省は「いわゆる巣ごもり需要と外出自粛が消費にプラス・マイナスの影響となってあらわれた。収入は増えているが支出は大きく減り、必要なところ以外にはお金を使わない状況だったのではないか」と分析しています。

一方、2020年12月の2人以上の世帯の消費支出は前の年の同じ月より0.6%減り、感染の再拡大に伴い、3か月ぶりに減少しました。

“支出が増えた項目 減った項目” 2020年の家計事情

新型コロナウイルスで社会が一変した2020年、日本の家庭でお金の使われ方はどう変わったのでしょうか? 2021年2月5日発表された総務省の家計調査から2人以上の世帯のケースでみていきます。

まず、支出が増えた項目です。

増加率が大きかったのは、
ゲーム機の本体を除く周辺機器やソフト、オンラインゲームの利用料といった「ゲームソフトなど」で47.7%に上りました。

電気製品にお金を使った人も多く、
「パソコン」が30.7%、
「テレビ」が27.0%、
「加湿器や空気清浄機など」が23.0%、
炊飯器やホットプレートなどの「炊事用の電気器具」も13.3%増えました。

外出の自粛が求められる中、自宅で快適に過ごすための商品を買う人が多く、一律10万円の定額給付金もこうした消費を後押ししました。

飲食店が営業時間を短縮したり、外食を控えたりする動きが広がる中、
チューハイやカクテルは33.3%、
パスタが25.3%、
冷凍食品も15.9%増えました。

テレワークの広がりもあって自宅で過ごす時間が増え、
水道代が3.3%、
電気代も2.2%増えました。

一方、支出が減った項目です。

国内外のパック旅行が70.4%、
遊園地の入場料が67.7%、
鉄道運賃が60.9%、
ガソリン代が16.1%減りました。

また、
外出先での飲酒代が53.9%、
食事代も25.4%減りました。

外出する機会が減ったことで化粧品への支出も減少し、
口紅が36.2%、
ファンデーションが24.7%減りました。