政府の新型コロナ分科会
3週間短期集中で
「Go To」見直しなど提言

2020年11月20日

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会は、感染が急増している地域では、政府の需要喚起策「Go Toキャンペーン」の運用の見直しなど、これまでより強い対策を政府に求める提言を示しました。

対策は、3週間程度の短期間に集中することが重要だとしています。

「Go Toトラベル」など運用見直しを求める

提言では、現在の感染状況を見ると、感染が急増している「ステージ3」に入りつつある都道府県があるほか、その一部の地域では強い対策が必要な状況に達したと考えられるところもあり、これまで通りの対応では、医療提供体制がひっ迫する可能性が高く、結果的には経済や雇用への影響が甚大になってしまうとしています。

このため、こうした地域では、これまでより強い対策が必要で、3週間程度の短期間に集中し、感染リスクが高い状況に焦点を絞ることなどが重要だとして、政府に対して、
▽「Go Toキャンペーン」の運用の見直しや、
▽営業時間の短縮、
▽移動の自粛要請などを検討するよう求めました。

具体的には、観光需要の喚起策「Go Toトラベル」について都道府県の知事の意見も踏まえキャンペーンの対象から除外することを含めて、国の運用の見直しを早急に検討するよう求めています。

「Go Toイート」についても

さらに、飲食店を支援する「Go Toイート」についても、
▽プレミアム付き食事券の新規発行を一時停止することや、▽すでに発行された食事券や予約サイトで付与されたポイントの利用を控えるよう呼びかけることなどを知事に要請することを求めています。

また、飲み会での感染が多く見られているとして、地域の感染状況によっては、できるかぎり迅速に3週間程度の期間限定で、酒の提供を行う飲食店に夜間の営業時間の短縮や休業要請が必要だとしています。

この際には、国から自治体への財政的な支援を行った上で感染防止対策のガイドラインを守っている店と守っていない店で、要請する内容に差をつけるべきだとしています。

さらに、地域によって感染のレベルが大きく異なるとして、感染予防を徹底できない場合は感染が拡大している地域への移動の自粛を要請することが必要だとしています。

「5つの場面」の回避を

このほか、
▽飲酒を伴う懇親会など感染リスクが高まる「5つの場面」の回避を徹底することや、
▽テレワークを今まで以上に推進すること、
それに
▽年末年始の休暇の分散や小規模なグループでの分散された旅行を推進することなどが必要だとしています。

一方で、こうした対策は経済や雇用に与える影響が大きいと考えられることから、支援策などを迅速に講じるよう求めました。

尾身会長「札幌市はステージ3 東京・大阪も3に近づきつつある」

記者会見で政府の分科会の尾身茂会長は、「分科会としてではなく、専門家としての見解だが、札幌市はステージ3に入っているのではないかと判断している。また、東京や大阪などはステージ3に近づきつつある状況だと考えている」と述べました。

そして、「これまでの知見から、感染がここまで拡大すると人々の行動変容だけでは感染を下火にできないことがわかっている。だからこそ『Go Toキャンペーン』の見直しを含めた強い対策が必要だと提言した」と説明しました。

その上で、提言で求めた対策が実施された場合には、感染状況にどのような影響を与えたか評価と分析を行い、その後の対策を検討する考えを示しました。