政府の新型コロナ分科会
大規模イベント制限
“来年2月末まで”了承 政府分科会

2020年11月12日

新型コロナウイルスの感染者の増加傾向を受けて、政府の分科会で大規模イベントの開催制限を当面、2021年2月末まで継続する方針が了承されました。西村経済再生担当大臣は「爆発的な感染拡大にならないよう危機感を強めている」と述べました。

分科会の冒頭、西村経済再生担当大臣は、現在の感染状況について、「8月上旬のピーク以来の高い水準で、爆発的な感染拡大にならないよう危機感を強めている。このまま感染拡大が続くと、より強い措置を取らなければならなくなるので、国民に基本的な感染防止策をお願いしながら、政府としてもクラスター対策に力を入れたい」と述べました。

そして、会合では感染者が全国的に増加傾向となっている状況を踏まえ、プロ野球など数万人規模のイベントで、収容人数の半分までとしている開催制限を、当面、2021年2月末まで継続する方針が了承されました。

一方、科学的に感染リスクが低いと確認されたイベントは制限を緩和し、例えば、映画館では上映中にポップコーンなどを食べる場合でも、飲食時以外はマスクを着用し、十分に換気を行うなどの条件のもとで、満席まで認めるとしています。

また、多くの人出が予想される初詣については、参拝者にマスクの着用を促すといった感染防止策を徹底するほか、飲食や食べ歩きを控えて、持ち帰りを推奨するよう求めることになりました。

このほか、会合では外国人への支援策として、多言語での情報提供に加え、相談窓口の体制を強化することを確認し、専門家と関係省庁によるチームの設置を決めたほか、感染者の差別への対策をまとめた作業チームの報告書なども示されました。

西村経済再生相「大きな流行 きつつある」

西村経済再生担当大臣は記者会見で、現在の感染状況について、「4月、5月と、7月、8月に匹敵する、大きな流行がきつつあることは間違いなく、強い危機感を持っている。冬を迎えるにあたり、国民と危機感、警戒感を共有し、一人一人に感染防止策の徹底をお願いし、政府としても対策を強化をしたい」と述べました。

そのうえで、会食や職場で感染が広がるケースが増えているとして、会食の際は、原則、マスクやフェースシールドをして飲食の際だけ外すことや、向かい合わずに斜めに座ること、職場ではテレワークを積極的に行うことや、緊張が緩みがちな休憩室や喫煙室での感染に注意することなどを呼びかけました。

加藤官房長官「偏見や差別あってはならない」

加藤官房長官は午後の記者会見で、政府の分科会で感染者の差別への対策をまとめた作業チームの報告書が示されたことに関連し、「政府としてもSNSやホームページなどにより、差別や偏見などの防止に向けた啓発に資する発信を強化するなど、さらに取り組みを進めたい」と述べました。

そのうえで、「新型コロナウイルスは誰もが感染するおそれがあり、偏見や差別はあってはならない。この機会を通じて、改めて国民に呼びかけたい」と述べました。