「爆発的な感染拡大に
備え対策を」
政府分科会で専門家

2020年7月16日

政府が設置した新型コロナウイルス対策の分科会の会合で、メンバーの専門家は、今後の感染状況に応じた対策の考え方の案を示し、感染者数が緩やかに増加する場合には、すみやかに対象地域や業種を絞ったきめ細かい対策を行う一方、あらかじめ爆発的な感染拡大に備えた対策を検討すべきだと訴えました。

7月16日、分科会のあと行われた記者会見で、尾身茂会長は、政府に対して今後の感染対策の在り方について提案を行ったことを明らかにしました。

それによりますと、現在の感染状況について「面的な市中感染は見られない」としたうえで、各地で発生しているクラスターでは「3つの密」が見られるため、改めて3密を回避する重要性を強調して呼びかけるべきだとしています。

そして、現在のように爆発的な感染拡大には至らないものの、感染者数が緩やかに増加する場合などには社会や経済への影響を最小限にすべきだとして、東京都が行っている接待を伴う飲食店の対策をさらに進め、すみやかに、地域や業種を絞ったきめ細かい対策を追加して行うべきだとしています。

一方、今後爆発的な感染拡大が起きることも想定し、具体的にどんな状態になったらどのような対策を行うか、あらかじめ対策を検討しておくべきだと提案しています。

尾身会長は「専門家の合意のうえで、基本的な考え方を示した。爆発的な感染拡大に備え、どんな事態にどんな対策をとるか、専門家としても早急にまとめていきたい」と話しています。