新型コロナ 夏休み延長や休校
小中学校1割余 高校で2割 文科省

2021年9月7日

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で新学期を迎えるに当たり、夏休みの延長や休校を実施した自治体は、小中学校で1割余り、高校で2割になっていることが文部科学省の調査で分かりました。

調査は感染が拡大する中で、新学期への影響を調べようと、文部科学省が学校や幼稚園を設置する全国の都道府県や市区町村の教育委員会を対象に行ったもので、1757の自治体から回答がありました。

その結果、9月1日時点で、
夏休みの延長や臨時休校を実施、または予定していると回答した自治体は、
▽小学校で12%、
▽中学校で13%、
▽高校で19%、
▽特別支援学校で9%となりました。

その日数は最も長くて12日、最も短くて1日で平均すると5日前後でした。

短縮授業や分散登校を実施、または予定とした自治体は、
▽小中学校ともに23%で、
▽高校で34%、
▽特別支援学校で31%となっています。

感染拡大の影響で新学期に休校や短縮授業などいずれかの対応をとったのは、
▽小中学校で3割弱、
▽高校で半数近く、
▽特別支援学校で3割余りとなりました。

夏休み延期や休校の期間中の学習指導については、最も多かったのは「教科書や紙の教材を活用」で、小学校で54%、中学校で60%、高校で59%と半数を超え、「同時双方向型のオンライン指導」は小学校で27%、中学校で31%、高校で33%と3割前後でした。

休校中の居場所確保は9割弱

今回の調査では夏休みの延長や休校の間の、子どもの居場所の確保についても聞いています。

小学校では放課後児童クラブなどでの居場所の確保について、
▽「実施した」「予定している」としたのは、休校や分散登校などを行い、この質問への回答があった自治体の88%に当たる306自治体で、
▽「実施しなかった」「予定はない」は10%の36自治体でした。

また幼稚園における預かり保育の状況としては、
▽「実施した」「予定している」としたのは66自治体、
▽「実施しなかった」「予定はない」は29自治体でした。

教職員の優先接種実施は8割超

今回の調査では、学校の教職員を対象としたワクチンの優先接種の状況についても聞いています。

その結果、「実施された」「予定されている」としたのは、
▽都道府県で回答があった43自治体のうち、84%に当たる36自治体、
▽市区町村では回答があった1511自治体の83%に当たる1258自治体で、全国の多くの自治体で子どもに関わる教職員の優先接種が進められていることが分かりました。

広島 福山 分散登校でオンライン授業も

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、クラスを2つのグループに分けて分散登校を行っている広島県福山市の中学校では、自宅にいる生徒も同じ内容を学べるよう、オンライン授業を行っています。

福山市の城東中学校では、9月1日の2学期から、1つのクラスを、2つのグループに分けて、午前と午後の入れ替え制で分散登校を行っています。

このため、自宅で学習している生徒も登校している生徒と同じ授業を受けられるように、オンラインにも対応しています。

このうち理科では、教室を映すために1台、黒板を映すために1台、課題をオンラインでやり取りするために1台の合わせて3台のパソコンを使って授業を行い、先生が自宅にいる生徒に向かって黒板が見えるかや話の内容を理解したかなど確認しながら進めていました。

また音楽は、感染リスクを減らすため内容を合唱から作曲に変更して授業を行いました。

生徒たちは、まず曲のリズムを考え、それぞれのパソコンに入力し、オンラインで授業を受けている生徒たちも一緒に、リズムを手拍子でたたいて確認するなどして作業を進めていました。

中学3年生の生徒は「自宅で授業を受けていると誘惑が多いし、友達と会いたいので教室で受けるほうがいい」と話していました。

理科の上谷愛先生は「目の前にいる子どもにも画面の向こうにいる子にも内容が分かるように工夫するのが難しいが、学校でも自宅でも学びが深まるような授業をしていきたい」と話していました。

分散登校は、福山市の小中学校と義務教育学校109校のうち、58校で行われています。