オミクロン株後遺症 けん怠感が最多
岡山大学病院専門外来調査

2022年8月22日

新型コロナウイルスの後遺症について、岡山大学病院が専門外来を受診した患者を対象に調査を行った結果、オミクロン株に感染したあとで後遺症の症状が出た人のうち、けん怠感を訴えた人が最も多かったことが分かりました。専門家は「特に子どもはけん怠感を詳しく説明することが難しいので、周囲の大人が異変に気付いてほしい」と指摘しています。

岡山大学病院は、新型コロナの後遺症の専門外来を2021年2月に設置し、7月下旬までに受診した369人について感染している株ごとに詳しく分析しました。

それによりますと、オミクロン株に感染したあとで後遺症の症状が出たのは124人で、詳しい症状を複数回答で調べた結果
▽「けん怠感」が最も多い80人
次いで
▽「頭痛」が36人
▽「睡眠障害」が30人などとなりました。

2021年12月までに確認されたデルタ株については、感染したあとで後遺症の症状が出たのは132人で、具体的には
▽「けん怠感」が65人
次いで
▽「嗅覚障害」が59人
▽「味覚障害」が52人でした。

デルタ株の患者では半数近くが症状を訴えた「嗅覚障害」や「味覚障害」は、オミクロン株の患者では1割余りにとどまりました。

岡山大学病院によりますと、新型コロナの後遺症の専門外来を受診した患者の特徴についての調査は、全国でも例がないということです。

治療にあたる岡山大学病院の大塚文男副病院長は「けん怠感については確立した治療方法がなく症状が長引く人も多いので、感染から1か月程度たっても症状が続く場合は専門外来を受診してほしい。特に子どもはけん怠感の症状を詳しく説明することが難しいので、周囲の大人が異変に気付くことが大事だ」と話しています。