厚生労働省の新型コロナ専門家会合
厚労省専門家会合
首都圏の感染拡大顕著 全国への影響が懸念

2021年7月14日

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が、東京都に4回目の緊急事態宣言が出されてから初めて開かれました。東京都を中心とする首都圏の感染拡大が顕著で、周辺や全国への影響が懸念されるとして、4連休や夏休みにも、帰省や旅行で県境を越える移動は慎重を期すよう呼びかけました。

7月14日開かれた専門家会合では、現在の感染状況について「東京都を中心とする首都圏の感染拡大が顕著で、周辺や全国への影響が懸念される」と評価しました。

地域別にみると、東京都では、新規感染者数の増加が続き、20代から40代が多くを占め、入院者数の増加傾向が継続しているとしています。

東京都の重症者数は40代や50代では前回、感染の第4波のピーク時と同水準になっていて、緊急事態宣言の効果が出るまで少なくとも2週間程度かかることが見込まれるため、感染拡大を前提とした医療体制の確保が求められるとしています。

現在、首都圏の感染者数は全国のおよそ3分の2を占めていて、周辺や全国に感染を拡大させないために対策の徹底が必要だとしています。

また、宣言が継続している沖縄県は、新規感染者数が減少傾向となっているものの、重症病床の使用率が厳しい状況が続いていて、引き続き注視が必要だとしています。

さらに関西では、7月に入って感染拡大が明確になっていて、大阪の夜間の人出は、医療が危機的な状況になった感染の第4波の直前、3月半ばと同様の水準で、感染拡大が続くことが懸念されるとしています。

このほか、首都圏や関西以外でも、北海道、愛知、福岡などで、感染者が増加に転じる動きが見られ、リバウンドが懸念されるとしています。

専門家会合は、感染力が強いインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」のクラスターが複数報告され、検査で全体に占める割合は全国で11%程度になり、今後置き換わりが進むとしていて、国立感染症研究所が示した推定の資料では、東京都では半数近くになっています。

このため、専門家会合は、首都圏での感染拡大を各地に広げないためにも今後、4連休や夏休み、お盆休みなどでも帰省や旅行での県境を越える移動は慎重を期すよう呼びかけました。

また、大人数や長時間での飲食、飲酒を伴う会食に複数回参加することで感染リスクが高まることが示唆されているほか、職場や学校などでのクラスターの発生が見られていてこうした場での感染対策の徹底が必要だと改めて強調しました。