厚生労働省の新型コロナ専門家会合
緊急事態宣言の効果や感染急増地域を分析

2021年5月12日

5月12日から緊急事態宣言が延長され対象地域が拡大となりましたが、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、緊急事態宣言が出ている地域での感染者数の推移や医療のひっ迫状況など宣言の効果や、感染が急速に拡大している地域の状況について分析が行われています。

専門家会合は午後5時半ごろから始まり、緊急事態宣言が出されてから2週間余りが経過した東京や大阪などでの感染者数の推移などのほか、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象になっていないものの、感染が急速に拡大している地域の状況などについて分析が行われています。

会合で示された資料によりますと新規感染者数は5月11日までの1週間では前の週と比べて
▽全国で1.07倍、緊急事態宣言が出されている地域では
▽東京都が0.98倍、
▽大阪府が0.79倍、
▽兵庫県が0.83倍、
▽京都府が0.90倍と横ばいから減少傾向となっていますが、5月12日から追加された
▽愛知県では1.30倍、
▽福岡県では1.22倍と増加しています。

また、重点措置が適用されている北海道で1.67倍、緊急事態宣言や重点措置の対象になっていない広島県で1.97倍、岡山県で1.51倍など大きく増加する地域が見られます。

人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数は、
▽大阪府で67.62人、
▽福岡県で56.66人、
▽岡山県で49.95人、
▽兵庫県で49.18人、
▽北海道で47.39人、
▽大分県と奈良県で42.11人、
▽佐賀県で41.72人、
▽東京都で41.45人、
▽愛知県で39.84人、
▽沖縄県で37.72人、
▽岐阜県で37.70人、
▽広島県で35.77人、
▽熊本県で34.10人、
▽京都府で33.29人、
▽宮崎県で30.48人、
▽石川県で29.79人、
▽香川県で29.60人、
▽群馬県で28.01人、
▽長崎県で25.32人と「ステージ4」の目安となる25人を超えていて
▽全国でも31.17人となっています。

専門家会合では、感染力の強い変異ウイルスが緊急事態宣言の効果にどの程度影響しているのかなどについても議論が交わされています。

田村厚労相「東京は宣言の効果が見えず」

田村厚生労働大臣は専門家会合の冒頭「大阪の感染状況は、緊急事態宣言が出たこともあって、なんとか頭打ちになり、若干、下がりつつあるのではないかと期待している」と述べました。

一方、東京の感染状況について「きょうは、緊急事態宣言の期間に入った2週間前よりも感染者数が増えていて、宣言の効果が見えていない。きょうだけを見て判断するのは早いが、宣言を出しても変異株はそう簡単に感染抑制できないものなのかどうかや、そうであるならば次はいったい何が必要なのかということも含めて、分析していただきたい」と述べました。