厚生労働省の新型コロナ専門家会合
新型コロナ感染拡大抑制
若い世代の移動自粛が必要
専門家指摘

2020年12月4日

新型コロナウイルスに感染した人のうち、県を越えた移動をした人は、県を越えた移動をしていない人に比べて、他の人に感染させた頻度が高いという解析結果が、12月3日開かれた厚生労働省の専門家会合で報告されました。感染拡大をさらに抑えるには、移動が活発な若い世代に移動を自粛してもらう必要があることを示しているとしています。

解析は、専門家会合のメンバーで東北大学の押谷仁教授が行い、報告しました。

それによりますと、ことし1月から8月に、自治体が移動歴を公表していた、およそ2万5000人余りの感染者の情報を解析したところ、▽県を越えた移動歴のある人が他の人に感染させた割合は25.2%だったのに対して、
▽県を越えた移動歴がないか、不明な人の場合は21.8%で、県を越えた移動歴のある人の方が頻度が高かったというです。

また、県を越えた移動歴のある感染者が、家族以外に感染を広げたケースを分析すると、10代から50代によるものが、およそ89%を占めていて、こうした世代が移動に伴って、他の地域に感染を広げているとしています。

専門家会合の脇田隆字座長は「重症化リスクがある人の移動をおさえ、医療機関の負荷を減らすうえで『Go Toトラベル』での東京発着の旅行の自粛を高齢者に呼びかけるのは、一定の効果があると考えられる。ただ、感染拡大をさらに抑えるには、若い世代に移動を自粛してもらう必要があることを示すデータだと理解している」と話しています。