厚生労働省の新型コロナ専門家会合
全国の感染者数「減少傾向が鈍化」

2020年9月24日

新型コロナウイルス対策について厚生労働省に助言する専門家の会合が開かれ、現在の感染状況について、8月下旬以降「全国で感染者数の減少傾向に鈍化が見られる」と評価しました。改めて「3密」を避けるなどの基本的な感染対策の徹底とともにクラスターが生じている会食や職場などでの対策の強化が必要だとしています。

会合では、専門家が現在の感染状況について最新のデータをもとに分析しました。

このうち、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」は、7月下旬以降多くの地域で流行が収束に向かうとされる「1」を下回る傾向でしたが、8月下旬からは東京や大阪、愛知といった大都市圏などで感染者数が横ばいか増加に転じる動きが見られ、「1」をはさんで前後しているとしています。

また、全国でも「1」に近い値となっているなど、感染者数の減少傾向に鈍化が見られるとしています。

社会活動が活発になり、会食や職場などを介した感染が起きているとみられるとして、9月の4連休で人出が多かったことの影響も含めて、警戒を続ける必要があるとしています。

一方、7月上旬以降、増加傾向だった重症患者については、8月下旬から減少傾向となっています。

こうした分析を受けて、専門家会合では、今後の対応について、イベントや旅行の増加、大学での授業再開などで人の動きや対面での活動が活発になると見込まれるため、改めて「3密」を避けるなどの基本的な感染対策の徹底とともに、接待を伴う飲食店やクラスターが生じている会食や職場での対策の強化が必要だとしています。

脇田隆字座長は「さまざまなところで人の動きが出てくる中、これまでに知られている以外の場所で感染が拡大しないか見ていく必要がある。感染リスクの高いところや有効な対策について最新の知見を示していきたい」と話しています。